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2.にしおりをはさみました!
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2.
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俺は心を決めて教室へ入った。
教室では既にグループが作られていた。
早いものだ。
この学校は軍隊に入りたい人が多くいるため女子は少ない。
元より、女子は魔法が使いにくいとされている。
そのためこの学校に来ること自体難しいだろう。
俺の席は...と、ラッキーなことに1番後ろの1番右だった。
端っこが好きな俺には最適な席だ。
俺は席に座ると友達作りに励むわけでもなくただじっくりとこの学校の説明が書いてある書類を読んでいた。
最初は話しかけてくる人もいたが軽く相づちをうつ程度だったため徐々に話しかけられなくなった。
みんなはわからないのだろうか。
ここで友達を作ったとしてもどうせホームルームが終わった後は話さなくなることを。
こんなことを考えているとおはようとドアの方で聞こえた。
みんなその声に目を向けた。
そこにはにこにこと笑う金髪のイケメンが立っていた。
イケメンは俺の方にちらりと目を向けると自分の席を確認しに行った。
イケメンで初対面の人にでも挨拶ができる度胸があり、キラキラしている。
そんな奴はクラスの中心になることが多い。
そこにコミュ力がついていたら尚更だ。
そのためみんな必死にそいつをグループに入れようと必死になる。
そいつの席は俺の列の1番前の席のようだ。
予想通りイケメンが席につくと沢山の人が群がった。
イケメンはみんなの話に笑顔で答えていた。
またイケメンは和に入りずらそうにしているクラスメイトにも積極的に声をかけ和に入れていた。
既にクラスの中心だった。
もちろん俺にも話しかけてくれるようだ。
「おはよう、俺は花宮海斗(はなみやかいと)、名前なんていうの?」
花宮はしゃがんで俺を見上げるように話しかけてきた。
自分に自信を持っている奴らは大抵俺が上だと見せつけるように話しかけてくる。
だがこいつはそれを全く感じない。
さすがだな。
「俺は神影天(みかげそら)だ、1年間よろしくな」
そういうと花宮はさっきとは違う嬉しそうな笑顔をした。
「うん!よろしくね、天」
「こちらこそ、花宮くん」
そういうと今度は悲しそうな顔をした。
少し泣きそうなくらいな顔だ。
表情の変化が激しい奴だな。
「おい、お前ら席に座れ、ホームルーム始めるぞ」
そう言いながら中年くらいの髭の生えたおっさんが教室に入ってきた。
みんなはそれを聞き自分の席に戻り始めた。
花宮も名残惜しそうに自分の席へ戻った。
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