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「っ………ちょっと」
「…………あ、ごめん」
強く手を引っ張りすぎてたのに気付いた。足の歩みも速度をさげる。
「……………ただでさえ外で手ぇ繋ぐって、恥ずかしいのに」
綺麗な顔立ち。韓国系の歌手グループにいそう。可愛いなこいつ。
「なんで? やだった?」
「あっ、や、やだ、とかじゃなくて…………初めてで」
手を離そうとしたら、逆に握られた。
「………………付き合ったことないの? 普通じゃね?」
「え、あ、そーかな……………今までなかったけど」
「へえ。……………もったいな」
その言葉は目の前にいる奴じゃなくて、こいつと付き合ってきた奴らにこぼしたものだった。こんないい奴、ものにしといて、見せびらかさないのかよ。もったいない。
「っ…………」
「……………」
はー。可愛い。
「……………………つーかさ、ホテル直行するけど、いいよね?」
「え…………あ、うん………」
「そのつもりだった?」
「……からかうなよ。そっちだって最初からその気だったじゃん」
「ごめん。可愛いから、つい」
「っ…………」
「つーか申し訳ないけどゲスいこと言っていい?」
「…………なに」
「早くヤりてーんだけど。限界だわ」
「あは、だからめっちゃ早歩きだったの。ウケる」
ちげーけどな。そう思わせたほうが楽だってことだよ。
「早くー」
「はいはい」
「走る?」
「えっ…………えっ、ちょ、マジで? バカ!」
手を繋いで繁華街を走る。あー、酒が回る。楽しい。バカだなあ。人生は享楽的に。ネオンが眩しい。夜って大好きだ。
ゲラゲラ笑って、息を切らしながらラブホに駆け込んだ。男同士でも入れるところは、最近増えてきていて、昔みたいにコソコソしなくても済んでいる。
「っあ~、も、バカ、バカ…………浅原くんって、いつもそんな、なの」
「ええ、なにがぁ?」
「だから、あ…………は、息、きっつ」
「大丈夫? 人工呼吸する?」
部屋を取ってさっさとエレベーターに乗り込む。キスしようとしたら、本当に息苦しいのか拒まれた。
そういや俺、こいつの名前知らないや。
結局、新歓コンパで覚えたのは、たった一人だった。
深谷 春風。
…………覚えてどうすんだっつーの。
「…………バカ。浅原くん、さ、あの、」
「夏輝って呼んで?」
「っ…………」
顔を真っ赤にして固まった隙に、軽くキスする。
「……なんて呼べばいい?」
真剣な顔つきでわざと見つめれば、うろたえて、彼はアキヨシと答えた。
あーそうか。そういや、そんな名前だった、け? 覚えてないや。どうでもいいや。
「…………アキヨシって可愛いね」
「ん、あ……バカ、着いてるから。エレベーター。降りる。降りるよー?」
首筋にキスしまくってたら階について、仕方なく離れる。さっきより熱い手を握って、部屋の扉を開けた。
さて、どーやって苛めよっかな。
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