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わかりやすい人にしおりをはさみました!
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わかりやすい人
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「あと、自分に対して向けられる感情に鈍感なところもそっくり」
う、反論できない……。
駆の方はぼくと一緒にされることに不満げな顔してるけど、ぼくだって認めたくない。でも二葉兄ちゃんにもちょっと鈍いところがあるなんて言われたことあるし…。
『歩はおっとりしてるっていうか、ちょっと鈍いところがあるからね。…あぁ、心配しなくても思ったことはちゃんと直接伝えるから気にすることないよ』
あ、だめ、思い出したらちょっとにやけそう。
「何にやけてんだよ、きもちわる」
「うるさい駆のばか」
「あーはいはい、喧嘩もほどほどにな。もう夜なんだから」
毛の立った猫みたいに睨みあうぼくらの間に、一葉兄ちゃんが割って入る。
こういう仲裁がうまいところは、やっぱり長男ならではなのかな。
「うん……事情はー…だいたい分かった。で、二人はそのことについてお互いどうしたい?」
どうしたい。……どうしたい?
隣に座る駆の顔をちらっと見る。
「ぼくは……うーん…この事実自体をなかった方向に…」
「は、お前ふざけんなよ今までの俺の恥はなんなんだよ」
できませんよねー。うん…知ってました。
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