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期末考査の結果にしおりをはさみました!
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期末考査の結果
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それは期末考査の一日目の夜のこと。
俺は世界史の採点をしていた。
篠村の結果が気になってしょうがなかった俺は、一年一組の解答用紙から見ることにした。
・・・何考えてんだ俺は。
最近俺の考えることは篠村のことばかりだ。
朝ちゃんと食べたのかとか、授業は寝ないで受けているのか、とか。
今だって篠村のテスト結果が気になって仕方ない。
俺はため息を吐きながら作業を続ける。
そして、俺は篠村の解答用紙に手を出した。
・・・・・・・・
「佐藤」
「はい」
そして俺は解答用紙を佐藤に渡す。
「さすが、と言ったところだな」
「俺、基本的になんでもできるんで」
佐藤は俺に笑顔を返した。
俺はあ、そうと苦笑いを返した。
「篠村」
「はい」
篠村は立ち上がってこちらに向かってくる。
俺は篠村の方をちらっと見た。
篠村は緊張しているのか、不安そうにこちらを見返す。
「・・・ほれ」
「・・・・・・・・」
そして篠村は、解答用紙を見るなり目を丸くしてまたこちらを見た。
「・・・まじで?」
「まじだ。俺も驚きを隠せない」
94点。それが篠村の世界史の点数。
「クラス最高点だ」
おおー!と歓声が上がる。
すごいと褒める者もいれば、何があったんだよと篠村に問いかける者もいた。
なぜならば、篠村が前回のテストでかなり悪い点数を取ったというのは結構有名な話だったからである。
そして篠村は嬉しそうに自分の席に戻っていった。
・・・・・・・
期末考査が終わって以来、まだ補習(勉強会)は始まっていない。
仕事やらなんやらでする暇がなかった。
それに、テスト後すぐに勉強、というのもなと思ったからである。
「小林」
「ん?どうした篠村」
すると篠村は少し口ごもる。
俺も一緒に黙り込んでいると篠村は口を開いて言った。
「放課後、空けれる?」
放課後。篠村は確かにそう言った。
つまりそれはあることを指している。
「テスト結果、良かったのか」
俺が明る気に聞くと篠村はにっこりと笑った。
こいつ、空気に流されやすいタイプだな。
「へへっ、聞いて驚くなよ?なんと!全部80点超え!!」
「おお!」
「・・・と、言いたいところなんだけど古文だけ落として・・・73?」
「はは・・・でも前よりずいぶんと上がったな」
「だろ!?俺、今回はまじで頑張ったから!」
確かに、今回の篠村はかなり頑張っていたと思う。
テストの点数も含めて褒めてやりたい。
俺は思った。
「そうだな。お前はよく頑張ったよ」
そう言って俺は篠村に笑いかけた。
しかし、何故か篠村は俺から目を逸らす。
「・・・今の、褒めてたんだが」
「っ、わかってるよ!」
ああ。なんだ、照れてるのか。
そう思うと可笑しくて笑ってしまった。
「笑うな!」
「はは。悪い、つい・・・」
「っ・・・いいから!放課後来いよ!絶対だかんな!」
はいはい、と俺は笑いながら相槌を返す。
そして篠村は逃げるようにその場を去っていった。
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