アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか？
5*冷血な温度にしおりをはさみました!
- 文字サイズ：
- 行間：
- 背景色：
- しおりがはさまれています
-
5*冷血な温度
-
翌日、昨日俺が襲われたあの客は
予想通り感染者だったと知らせを受けた。
今後α客の予約が入ったときには、
検温と、それから簡単な検査キットの実施が義務付けられるらしい。
まあ大体予想はついていたから、特に驚きもしない。
もとからあまり体温の高い人ってイメージはなかったけど、
風呂に入っても、思い切りヤって興奮していても、
あの冷え切っていた手は少し気持ちが悪かった。
…健太君がつけてたラジオで言っていたのはその事か。
「おはようございます！早出って珍しいですね、アリスさん。」
「うんおはよ～、お客さんがこの時間しか空いてないっていうからさ～。」
いつもと違う時間に出勤だと
送迎は健太君じゃないらしい。
折角香水変えてみたんだけどな～。
「にしてもアリスさん、こんな時でも予約でいっぱいとか流石ですね～。」
「んーまあ俺βのお客さんもそこそこいるしね。」
「すごいっすよ～、他の子なんてもうお茶引く子続出で店長も頭抱えちゃって～…ってか香水変えました？新鮮でいいっすね～。」
「あははっ、ありがと～！」
この子もかなり前から黒服をしているから、
何度か話したことがある。
褒め上手で聞き上手、元気で健気でΩの俺にも優しい子。
全然嫌いじゃないし、
むしろ好きか嫌いかと聞かれれば迷わず好きだと答えるような子。
でも健太君とは違った。
この子に褒められるのと、健太君に褒められるのとでは嬉しさは500倍くらい違うし、
1本目の迎えが健太君じゃないとその日のモチベは上がらない。
勿論、それでお客さんを悲しませるような対応はしないのだけど。
「今日ってさ、健太君出勤？」
「健太君…ああ、山田ですか？」
「そうそう山田君！」
いつも思うけど、山田健太って…めちゃくちゃ量産的過ぎる名前に笑っちゃいそうになる。
健太君はいつも遅番だから、
今日も入るとしても20時過ぎなのかな。
もしかしてこれが本業じゃなくて別に何か仕事をしていたりするんだろうか。
……そんなにお金が必要なら、俺が養ってあげるのに。
ぷんぷん。
「山田なら～…ちょっと体調崩したみたいで今日は休みって聞いてますよ。」
「え、体調？昨日送ってもらったとき普通だったのに…。」
「まあね～、澄ました顔して無理しそうな性格してますしアイツ～。」
「あはっ、確かに！わかる～！」
健太君以外まともに名前も覚える気がなくて、
こんな風に仲良い素振りで話しているけど、
実は俺、この子の名前すら知らない。
健太君の事もよく知ってそうな感じだし、
この子と仲良くなっておけばもしかしたら健太君の事を
もう少し知れたりするかもしれない。
だって健太君自分から何も言わないし～。
聞いても答えてくれるような人じゃないんだもん。
堅物すぎでしょ。
絶対モテない。
顔はいいのに。
…まあモテてもらっちゃ俺が困るんだけど。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 18
