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水の呪い15にしおりをはさみました!
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水の呪い15
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そんな会話をしていると、大きな地図を抱えたグレイが部屋に戻ってきた。
「どうぞ。持ってきて差し上げましたよ」
「偉そうにどうもありがとう。しかし、随分戻るのが早いですね。もっと時間がかかると思っていましたが」
「オレを誰だと思ってるんです? 禁書も含め、王宮の書庫のことなら司書長よりも詳しいですよ」
グレイは知識欲と探究欲が強いためか、本を読み漁るのが趣味なのだ。それにしても、肩書としてはロンター公爵家の秘書官にしか過ぎないグレイに禁書の閲覧許可まで下りているのはどうなんだ、という話なのだが、ここには突っ込んでくれる他国の人間はいない。
グレイから受け取った地図に目をやったレクシリアは、卓上の地図と照らし合わせて正確な位置を確認したあと、ガルドゥニクスに視線を投げた。
「それでは、暫し留守にします。何かあったらすぐに連絡してください。無論、私の介入なしに問題なく解決できる案件でしたら、自由に動いて頂いて構いません。ただし、報告だけは忘れずに」
「心得ておりますとも」
しかと頷いたガルドゥニクスに微笑んでから、レクシリアは軍議室を後にした。そして、さも当然のような顔をして、その背をグレイが追う。
「貴方まで来る必要はないと思うのですが」
「何を言ってるんですか。久方ぶりのアナタの雄姿を拝まない訳にはいかないでしょう? 第一、オレはアナタの秘書官なんです。アナタの傍にいるのは当然のことじゃあないですか」
「まあ、好きにして良いですけどね。ただ、今回は貴方の助けはいりませんよ」
「知っていますよ」
グレイを連れたまま宰相に充てられた執務室に戻ったレクシリアは、部屋の奥に設置されている鉄製の大きな棚の扉を開いた。そしてその中から、白銀の弓と矢を取り出す。
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