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18歳以上ですか?
3にしおりをはさみました!
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3
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少し遠回しに聞こえる女の子たちの声に耳を傾けることなく、俺は目的の彼がいるところへ一直線に進む。
「それでよ、俺のせいじゃないのに....っ、え」
何かを愚痴っているのか、不服そうに顔を歪める金髪の少年は、ふと俺に目に止めて小さく声をあげた。
そんな少年と対角に座っている彼は、少年に釣られるような形で首を後ろに回す。
俺の視界を染めていた黒髪が消え、朝までこの目にうつっていた顔が再び俺の視界を支配する。
「え、...蛍汰」
驚愕に見開かれた目と、食べ物を含みぷっくりと膨らんだ頬。
たった一日で随分見慣れた彼の顔をみた途端、ふっと自分の口角があがったのが分かった。
「朝ぶりだね、優真」
ニコリと微笑む俺に対して、優真は気まずそうに視線を逸らす。
「あ、うん」
きっと、さっきのことを気にしているんだろう。
食堂の前、目があったのにわざとらしく逸らしてしまったこと。
何も知らないかのように急ぎ足でその場を去ってしまったこと。
(気にするなら、あんなことしなければいいのに)
そんなところも、この上なく可愛い。
「そうだ、一緒に食べていいかな?」
ニコニコと笑みを絶やさない俺の提案に、優真は逃げられないと悟ったのか、小さなため息を一つ漏らす。
「俺はいいけど...」
優真の視線が、すっと後ろの少年へと動く。
優真が何を言いたいのか理解したらしい少年は興奮気味の声でOKを出してくれた。
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