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ずっと前から4にしおりをはさみました!
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ずっと前から4
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「いますね。」
俺はポツリと呟いた。
「じゃあその人を想像しながら俺の話を聞けよ。」
そう言われ、兄さんをもう一度思い浮かべた。
「ある日お前は1人で買い物に出掛けたとするだろ、そしたらその人に偶然会えたんだ。」
ーーーーーそんなの偶然じゃなくても毎日会えるけどなーーーーーー
「そしたら向こうもお前に気付いて声を掛けてきた。しかも、とびっきりの笑顔で。」
ーーーーーか、可愛いな…ーーーーー
少し自分の顔が熱くなるのを感じた。
「そして結局2人で買い物することになって、その人は『一緒に買い物出来て嬉しい』って言うんだ。」
ーーーー兄さんだったら言うだろうなーーーー
「そんで帰り際に『今日は楽しかったね。また一緒に買い物したいな。』って言う。」
ーーーーーそれも兄さんだったら言うに違いないーーーーー
「そんで最後に『今日は帰りたくないなあ…』って真っ赤になって俯いて言ってきた!!!!さあ、望月、お前はどうする?!?!」
ーーーーーそんなことは兄さんは言わないだろうけど…ーーーーー
「どうするって…」
そんなの。
まずあのフワフワな髪に触れて、
あの白い肌にも触れて、
それからあの赤くて形のいい唇にキスをして、
それから…………
そんなの、あの人の腕を引っ張って行って、そのまま俺の物にするに決まって…
「…づき…おい!!!望月!!!!」
先生の呼びかけに俺はハッと我にかえった。
今…俺は…兄さんに何しようとしてた…?
「お前、俺が呼んでも気付かないくらい妄想するなんて、その人の事がよっぽど好きなんだな」
いたずらっ子のように先生が笑っていう。
自分の顔がこれ以上ないくらいに熱くなるのを感じた。
それは先生の言葉を肯定したようなもので、先生は やれやれといった顔で
「本気で好きな人いるんじゃないか
しかも恋愛感情で。」
と言った。
俺はその言葉をすんなりと受け入れる事ができた。
男なのに、とか。兄弟なのに、とか、そんなことは何も引っかからなかった。
それどころか、そうだったのか、と今までのモヤモヤが晴れた。
こうして俺は兄さんへの愛情が 恋愛によるものなのだということを、やっと自覚したのだった。
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