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慎也の平日3にしおりをはさみました!
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慎也の平日3
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学校に着いたら普通に授業を受ける。
休み時間は俺はゆっくりしたいのに、教室にいると女の子たちがうるさいから、まともにゆっくりも出来ない。
俺が学校でゆっくり出来るのなんて、昼休みに圭吾と過ごす40分間だけだ。
兄さんへの想いを知っているのは圭吾だけだから、俺はついつい話してしまう。
でもやっぱり話す内容なんて毎日ほとんど変わらないわけで
「お前の話はもう聞き飽きた。」
って圭吾に言われるのは仕方のないこと…なのはわかってるんだけど…
「えーーー圭吾ぉーーーきーーいーーてーーよぉーーー」
らしくもなく駄々をこねてみた。
「お前なあ…まったく、お前のこと王子とか呼んでる子達に見せてあげたいわ。王子どころか タダのうぜーガキじゃねえかよ。」
圭吾が呆れたように言った。
「そんなのその子達が勝手に言ってるだけで、俺はどーせタダのうぜーガキだよ。」
『王子』なんて表面しか見てないじゃないか。
誰も本当の俺をわかってないくせに。
イライラする。
「じゃあ王子のフリやめれば?そしたら少しは楽になるんじゃねぇの?」
一瞬それもいいかもしれないと思ったけれど、そんな勇気はない。
『王子』とかけ離れたことをすれば、自分から人が離れていくのではないのかと不安なのだ。
だから、俺は『王子』を演じ続けている。
「フリって酷いなあ〜俺は圭吾の前以外では本当に王子なんだよ?」
兄さんの前でも、ね。
自分のこの感情に気付かれたくなくて、完璧な人間を演じ続けている。
親友である圭吾の前ですら、自分の全部はさらけ出せない…
「ったく…チョーシのいいヤツだな。ま、せーぜーバレないように頑張るんだな。」
「はは…気をつけるよ。」
俺たちはしばらく笑いあって、予鈴と共に教室へと帰っていった。
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