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夏休み 4にしおりをはさみました!
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夏休み 4
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誰かとこんな風に過ごすなんて、少し前まで考えもしなかった。
誰かが喜んでくれる、その為に何かをするなんて考えもしなかった。
誰かに行ってらっしゃいとお帰りなさいを言う事が嬉しいなんて。
順番がめちゃくちゃな俺の番さん。でも、この気持ちってきっと好きって事なんだよな？
今までの人生、αに負けないように、出来損ないΩだと知られないように。只それだけを考えて生きてきた。
もちろん、女の子と付き合った事もないから恋愛感情としての好きには自信がない。
発情期も来ず、繁殖が第一のΩからすれば圧倒的出来損ないのΩが橘さんと番った途端に発情。
やっぱり運命ってあるのかな？
このあったかくて幸せな気持ちの正体は？
そもそも、皆んなどうやって好きだとか愛してるだとか分かるんだろう、、。
普通の恋愛なら、好きや愛してるが無くなれば別れてしまうんだろう。
でも、俺は別れてお終いとはいかない。そんな事になればΩは即生命に関わる。、、、らしい。
確かに、橘さんは良くしてくれる。分不相応な程に。なぜ？無理矢理番った負い目？
それならば、俺の存在はαの橘さんからいろんな可能性を奪っている事にはならないか？
はっきり言って、孕む性のΩとしての責任も果たせていない。あの事件以降、橘さんは潔いほど紳士だ。約束通り何もしてこない。
一体全体なんなんだろう。モヤモヤする。
いけねっ！勉強中だった、、、
ノートには俺の頭の中みたいなグルグルが描かれている。そして当然、問題は一問も解けていない
あぁっ！もう、考えるのやめっ！それこそ時間の無駄遣いだ！
'ただいま。'
え？もうそんな時間？あれこれ考えている間に相当時間は経っていたみたいだ。
'お帰りなさい。橘さん、ごめんなさい。今日はまだ、晩ご飯が出来てなくて、、、'
'お？どうした？なんかあったか？体調悪い？'
'いえ、大丈夫です。すぐ作ります。簡単な物になるけどかまいませんか？'
'いや、今日はせっかくだしまだ何もしてないならたまには外で食べないか？'
'すみません'
'全然。毎日ありがとう。たまには休みも必要だ。
で、何が食べたい？'
'俺ですか？橘さんの食べたい物食べましょう。
用意出来なかった俺が食べたい物とか、、、申し訳なさすぎます'
'気にし過ぎだ。こんな時位大人しく甘えてろ。'
'でも、、、'
'まだ言うか？'
'じゃ、じゃあファミレス？'
'なんで疑問形なんだよ笑
ファミレスがいいのか？'
'ファミレスなら何でもありますし、、、'
うっ、、、。でも、橘さんがファミレス。違和感ありまくりかも、、、選択間違えたかも、、。
'ファミレスな。近くのファミレスでいいか？
よし、行くぞ。車出すか？散歩がてら歩くか？'
'じゃあ、歩きたいです。'
'そうだよな、ずっと軟禁みたいで済まないな'
'いえ、大丈夫です。どうせ山のように課題がありますし。'
こうして俺は自分でもよく分からない消化しきれない感情を見ないフリしてやり過ごした。
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