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再発
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side 飯窪
「はーい魁くん痛くないからね〜」
イライラと興奮を抑える薬を飲ませようにも飲んでくれないから仕方なく注射で。ってことになったんだけど…。
朝霧先生が優しく声をかけても猛獣みたいに暴れちゃう。
いよいよ拘束具を使っての荒治療に移行しないといけなくなるかな。
そういう手法は桐生先生の思い描く医療とは違ってくるから本当の本当に奥の手なんだけどね。
全体的にこの病院の精神科医って結構少ない人数でやってるから、魁くんのような重症患者は本来断っていたけど。
お父様たっての希望だったから受け入れたんだよね。
クリーンなイメージを売りにしているからと言っていたけど果たしてそれが本当に魁くんのためになるのか…分からなくなってきたな…。
「怖かったですね。でも大丈夫!魁くんとっても頑張りました」
やっとの思いで打ち終えたらすかさずメンタルケア。
病状にもよるけど精神疾患は心のサポートが第一だから言葉の一つ一つをしっかり考えてまっすぐ伝えることが大事なんだそう。
例え本心で応援していてもそれを信じられなくなったり、ただでさえ不安定な心を健康な状態にさせてからじゃないとどんな治療をしても治らないって、朝霧先生が話していた。
もちろん気持ちの問題じゃなくて脳が萎縮していたり内臓系を悪くしていると併発しやすくなるから、根本が気の持ちようだとしても「甘え」だと切り捨てるのは死への一本道を歩かせているようなものだと。
だから、そんな患者さんに寄り添いたいって精神科医になったんだって。
俺みたいな空っぽ人間と違って目的があって医者になったんだな、と思うと尊敬。
俺には何もないからね。
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