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「ユキ、最近顔色いいよな」
「え?」
いつもの夕食どき。不意に晃がそう切り出してきた。
「なんか、人間っぽい顔色になったっていうか」
「俺人間なんだけど」
「いや、今まで人形みたいな顔してたからさ…」
そんな晃の話を聞いて向かい側の光がうんうんと頷く。二人してなんなんだ。顔色なんて自分ではよくわからないけど、二人とたいして変わらないと思うんだけどな。
「ユキは顔立ちが綺麗だから、今まで本当にお人形さんみたいだったよね」
「だよな!俺初めてユキに会った時ぎょっとしたもん!」
「ぎょっとって…化け物じゃないんだけど…」
今はどこにいるのかもわからないお母さんに似た顔。自分の母親を褒めるのはなんだか照れ臭いけど、うちのお母さんは綺麗な人だった。高校に上がって、横顔が綺麗な人だなと思った事もあった。
「その綺麗な二重の目と、すっとした鼻!ほんとうらやましい!」
「あっきーだって二重のくせに」
「お前も二重だろうが!」
「僕の二重とユキの目は違うもん」
俺の顔パーツ談義を始める二人に混ざる事も止める事も出来ずにただ黙って見守る。
食卓の近くの食器棚のガラスに映った自分の顔は、やっぱりどこかお母さんと似ていた。
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