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4にしおりをはさみました!
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4
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ウミのことはだれよりも知ってる、なんて言うつもりは無いけれど高校生になってはや数ヶ月
正直ウミの容姿に惹かれるだけの女の子や
誰が始めたか分からない嫉妬の籠った噂を宛にする人達よりかはずっとウミのことを知っている。
なんて、頭のなかで一人で考えて
よく考えたら俺いますっごい恥ずかしいやつじゃない?
なんて一人で羞恥心に頭を抱えた。
「はあー」
「なんだよあからさまにため息ついて」
「んあーいやーなんていうかー」
「?」
「なんでもない」
友人がはあ?と呆れた顔をする。
わざわざ墓穴を掘る必要もなし
俺は何とか平常心を保つ。
みんなが言いたいことは何となくわかる。
『なんでお前なの?』
ウミの隣に居るには不釣り合いらしい俺
一言で表すとウミは"あの"ウミだ。
かく言う俺は
高くもなく低すぎるわけでもない平々凡々な身長に
成績は平均が関の山、運動は苦手だしあまり好きではない
良くも悪くも友人として男女関係なくそれなりの関係を築いている。
釣り合いとかそんなんどうでもいいと思うけれど
きっと俺も傍から見た時はそう思うんだろうな
うわ、今の考えすごく嫌だ。
人と円滑にコミュニケーションを摂ることはさほど難しくない。今となってはむしろ得意な方だと自負している。
同性異性問わずそれなりの関係を築いてきた。
だってその方が楽しい。
そんな中でも純粋に俺と仲良くしてくれる人とそう出ない人がいる。
『そんなことより、河野くんは?』
隠しきれないその本心に嫌気がさす。
信じてた、なんて勝手な思い込みだ。
それでも落胆してしまう。
俺自身を見てくれない人達に?
いいや、いいや違う。
俺からウミを取ろうとする人達にだ。
昼食を終え、他愛のない話で過ごす昼休み
頭の片隅にはまだ先程の嫌な考えってやつがちらつく
だって仕方ない
小さい頃に行われたかくれんぼ
大嫌いだった遊び
いつも真っ暗な暗闇で泣いていた。
けれど、君のおかげで俺はいつの間にか見つける側になっていて一人きり誰に見つからない君の手をとる。
俺を見つけてくれたウミ
俺だけが見つけられるウミ
俺たちを繋ぐのは二人ぼっちの秘密の約束
ちっぽけで、いつ解かれてもおかしくない約束
俺はいつまでもその約束を手放せないでいる。
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