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緊縛退魔師にしおりをはさみました!
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緊縛退魔師
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僕は、運が悪い。
生まれたときから、何かに呪われたように悪運に恵まれている。
まず、僕が生まれた日のことだった。
それは、とても寒い冬の日だったという。その日、僕の母さんが僕を生んだ病院のある地域一体が停電したのだという。
「本当に、寒かったわぁ」
そのときの思い出を母は、そう語っていた。
「まるで、アウシュビッツに運ばれてる列車の中で出産しちゃったのかと思ったわ」
そして、子供の頃の僕の思い出も最悪の更新のような思い出ばかりだった。
小学生になるまでに誘拐されそうになったことが7回。まあ、幸いなことに、全て、未遂だったけど。
そして、車にひかれることが、20年の人生の中で、3回あった。
だが、僕は、なんとか、無事に成長して、大学生となり独り暮らしをするようになった。
独り暮らしをはじめて、泥棒に入られたことが、すでに、2回あったのだが、そんなことは、ほんの些細なことだった。
とにかく、僕は、運が悪い。
つい最近では、父の会社が急に経営不振になり仕送りを止められてしまった。
嘆いていても、仕方がない。
僕は、今まで住んでいたマンションから引っ越して、じめじめした日陰のオンボロアパートである『さきがけ荘』へとやってきた。
このボロボロの見た目の日当たりの悪いアパートには、いいところが一つだけあった。
それは、家賃が安いこと。
地方とはいえ、駅から歩いて5分ほどの立地のこのアパートは、2LDKの一人で暮らすには、十分すぎる大きさの物件にも関わらず、家賃がたったの二万円だった。
これからバイトのみで家賃と生活費を賄わなくてはならない僕にとっては、天の助けのようなところだった。
多少のことは、多目に見れるというものだ。
とにかく、住めば都、だ。
僕は、張り切って引っ越しをすませていた。
荷物を運び終わり業者が去っていくのを見送った後、僕が新居へと戻ってくると僕の部屋の前で隣人らしき人物とすれ違った。
隣近所の人とは、仲良くしとかないと。
僕は、ニコニコして会釈した。
その隣人の第一印象は。
ちゃらい。
金髪でだらしないボロボロの作務衣を着た長身の若い男だった。
あまり、かかわり合いになりたくないタイプの男だ。
ただ、顔がすごく、いい。
僕には、そういう趣味はないけど、すごいきれいな、なんというか整った顔立ちをしている男だった。
僕が思わず見とれていると、その男が僕ににっこりと笑いかけてきた。
「あんた、憑いてるな」
「えっ?」
「あんた、憑いてるよ。もし、よければ、お祓いしてやろうか?俺、こう見えても退魔師だから」
男は、僕に、そう言って迫ってきた。
何、この人。
僕は、ひきつった笑顔を浮かべて言った。
「けっこうです」
「まあ、そう言うなって」
男は、僕の手を握って無理矢理、隣の彼の部屋へと僕を引っ張りこんだ。
「あれ?」
僕は、なんだか、体が軽くなるのを感じていた。この男の部屋に入ったとたん垂れ込めていた暗雲みたいなものが晴れてきた様な気がしていた。
この男の部屋は、なんだか、空気が違っていいるような気がした。
「お前、わかるのか?さすが、俺様の見込んだ男、だ」
その男がにやりと笑って言った。
「この部屋は、結界が張ってある。あんたみたいな憑かれやすい奴にとっては、すごく楽な空間だろ?」
「憑かれやすい?」
「ああ」
彼は、僕に言った。
「お前は、いわゆる依りわら体質だ。いろんなものを引き寄せてる。思い当たる節はないか?」
「そういえば、少し、人より運が悪いかも」
僕が言うと、彼は、さもありなんという様子で頷いた。
「悪いことはいわない。ここで、俺に祓われろ。そうすれば、楽になるぞ」
「えっ・・」
僕は、少し、悩んだけど、楽になるという彼の言葉につられて、つい、お祓いを受けることを承諾してしまった。
「なら、お願いします。でも、僕、お金はもってませんよ」
「いいってことよ」
男は、にっと笑ってみせた。
「後で、俺の頼みを1つだけ聞いてくれたらちゃらにしてやるよ」
男は、禊といって僕を風呂場へと連れていくと服を脱ぐように命じた。
「外界の穢れを祓うために、これから、ここで禊をしてもらう」
「禊?」
「ああ、シャワーを浴びるだけだ。心配はいらん」
とうわけで、僕は、服を脱いでシャワーを浴びていた。
なんだろう。
このおかしな感じ。
シャワーから出てきた僕に、男は、白い着物を渡すと羽織るようにと言った。僕は体も拭かずにその着物を羽織らされて白い帯を絞められた。男は、白装束に身を包んだ僕を見て、満足そうに頷くと、僕を奥の和室へと連れていき、部屋の中央に座らせた。
「ちょっと、じっとしてろよ」
男が言ったかと思うと、すぐに、僕の体に黒い蛇のような物が巻き付いてきた。僕は、驚いたが、抗う間もなく、その蛇のようなものに僕の体は、縛り上げられていた。
「ん・・くぅっ・・これ、なんです?」
僕は、黒い蛇のようなものに体を締め上げられ呻き声を漏らした。その黒い何かは、それ自体が命を持っているかのように僕を縛り上げていく。男は、にんまりと笑った。
「黒毛縄ってんだ。霊力を持った乙女の髪を寄り合わせて作られた特殊な縄だ。これで、お前の全身を締め上げてお前に憑いているものを封じ込める」
「んぅっ・・はっ・・」
全身にくすぐったいような痛いような微弱な電流のようなものが流れるのを感じて、僕の体は、痺れていった。全身の力が抜けて、僕は、その場に這いつくばっていた。
力が、入らない。
「あ、あぁっ!」
僕の閉じられた両足の間から畳の上に液体が滴り、あっという間に広がっていく。
「だめっ!もれ・・」
「大丈夫だ。全身の筋肉が弛緩して小便が漏れてるだけだ」
僕は、体を畳の上に横たえたまま、涙と涎を垂れ流して、僕の横に立っているその男を見上げていた。
「ん・・も・・やめっ・・」
「ねをあげるのは、早すぎるぞ」
男は、僕の足を広げさせるとその間に膝をついて僕の股の辺りを覆い隠している着物の裾をはだけさせた。僕のそこが露出させられるのを見て、僕は、頬が赤らんだ。
「や、めてください」
「これからが退魔の儀式になる」
男が僕のものを掴むと、それに舌を這わせてきた。先端をちろちろと舐められ、僕は、びくっと体をはぜさせた。
「あっ!だ、めっ!」
男は、かまわず、じゅるっと僕のものを吸い上げた。初めての感覚に襲われ、僕は、のけぞり、声を上げていた。
「ふっ・・ん、アァっ・・も、だめっっ・・出ちゃう!」
男の口の中で膨張していった僕のものが熱を放った。男は、ごくりと喉を鳴らしてそれを飲み下すと、ぺろりと舌を出して唇を舐めた。
「すげぇ、濃い瘴気だな。しかも、うまい」
「えっ・・」
男は、僕の露出された下半身の後ろへと手を伸ばすと、僕の後孔へと指を這わせた。彼は、僕のそこへ、何か、ぬるっとした液体を塗り込め始めた。ぬちゃぬちゃと滑る音が聞こえて、男の指が僕の中へと出入りを繰り返した。その異物感と痛みに、僕は、身をよじった。
「はっ・・や・・指、抜いてっ!」
「だめだ。まだ、こんなのじゃ、お前の奥にいる奴には届かない」
「お・・く?」
僕は、ぼんやりと霞んでいる目で男を見つめてきいた。彼は、指を増やして僕の中をぐちぐちと弄り、拡げながら、僕に囁いた。
「これから、お前の中に入る。全部、俺に任せて力を抜いてろ」
「んっ」
男が自分の滾りたったものを僕の後孔へと押しあてて言った。
「いいか?入るぞ」
「あっ、だめぇっ!」
僕は、縛られたまま顔を畳に押しあてて、腰を高く上げさせられていた。男のものは、僕の中へと押し入ってくる。その熱い痛みに、僕は、声を漏らした。
「はぁっ・・あぁっ!・・ん・・やっ!」
「覚悟しろ。滅してやる」
男のものが僕の体の中を貫き、僕の魂へと突き刺さるのを感じて、僕は、悶え、体をくねらせる。
「あぁっ!あっ!」
「全部、入ったな」
男が僕の腰を掴んで激しく奥を突き始めた。僕は、腹の奥まで突かれて、掻き回されれ、痴態をさらして叫び声をあげていた。
「あぁっ!んぅっ!も、だめっ・・そんな、奥まで突いちゃ・・はげし」
「いけ!」
僕の肉体は、奥の奥まで貫かれて、快楽のための器に成り果てていた。僕は、いつしか、前を滾らせて、腰を振って彼のものを迎え入れていた。
「あっ!んぅっ・・も、いっちゃう!だめぇっ!」
「いってしまえ!」
男が一段と強く深く貫き、僕は、精を放って、そして、意識を手放した。
「はっ!」
僕は、気がついて、勢いよく体を起こした。あの男は、僕の寝ていたベットの横の床の上に座って、テレビを見ながら缶ビールをあおっていた。
「気がついた?」
「あ、あの、僕・・」
僕は、はだけられた着物の前を押さえてベットの上で体を起こして彼を見た。男は、僕に聞いた。
「体の具合は、どうだ?」
「えっ・・」
僕は、男に何をされたのかを思い出して、かぁっと顔が熱くなった。僕は、彼に言った。
「こんなこと、許されると思ってるんですか?」
「お前に憑いていた魔を祓ってやった。お前には、今、憑き物はない」
男がビールを飲み干して言った。
「体が軽くなってないか?」
男に言われて初めて、僕は、いままでになく肩が軽く感じられることに気づいた。気のせいか、気分まで軽くなっているような気がした。なんだか、思い詰めていた心が明るく晴れてきたような気分だった。
男は、僕の様子を見て、満足そうに頷いて言った。
「退魔の儀式をする前に言ったけど、お前は、依りわら体質だから、際限なく悪い気を呼び寄せている。それを俺様が祓ってやったんだからな。一生、恩にきるがいい」
僕は、無言で立ち上がると、奴の背中へ蹴りを入れた。男は、ぐぇっと呻いてその場で悶絶していた。
ざまあみろ!
僕は、これでも、中学までは、合気道を習ってて初段の腕前だった。
僕は、部屋の隅に置かれていた僕の服へと歩み寄ると、それを掴んで部屋を出ていこうとした。
そのとき、ズボンのポケットに入っていたスマホの着信音が流れた。たぶん、父さんからだった。仕方なく、僕は、そこでスマホを取り出して電話に出た。
「もしもし」
『ああ、雪緒か?父さんだ。喜べ、銀行が融資をしてくれることになった。だから、お前の仕送りもこれまで通りできるようになったから、安心して勉学に励んでくれ』
「マジで?」
通話を切って、僕は、そっと男の方を振り向いた。彼は、どや顔で僕を見つめていた。
もしかしたら、本当に、僕に憑いていたものを祓ってくれたのかも。
一瞬、そう思ったけど、やっぱり、この男は、信用できない。背を向けようとした僕に、彼は、言った。
「俺は、緊縛退魔師の間宮 宗助ってんだ。また、祓って欲しくなったら、いつでも来いよ」
「いりません!」
僕は、急いで、部屋を出ようとした。その僕の背に向かって間宮は、笑いながら言った。
「お前の部屋、前の住人が自殺した、いわゆる、事故物件ってやつだから。やばいと思ったらすぐに言えよな。また、祓ってやるよ」
「だから、いらないって!」
僕は、外に走り出した。
隣の自分の部屋へと戻ると、僕は、服を抱き締めてドアにもたれて呟いた。
「間宮 、宗助」
僕は、熱い吐息を漏らしていた。
何がなんだかわからないけど、とんでもない所へ、来ちゃったのかもしれない。
とにかく、これが、僕と緊縛退魔師 間宮 宗助との出会いだった。
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