アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
73にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
73
-
「絢?」
「なに。」
知ったらきっと離れていく
だって分かってる、自分がなんで色んな人から付き合ってもらえるか。
それはこの顔と体。このふたつがあるから
顔は別にナルシストじゃないけど、今まで何十回と言われてきていればそれが付き合う要因になることくらい分かる
結局はセックス。そんな奴らに俺のこの乱れすぎた私生活は「重い」以外の何物でもないのだ
付き合う前に自分のことを話すとか、そんなのはとっくの昔にもうやめた。
だって言ったらそれを理由に別れ話をされるし、
「それを言って、俺に何をして欲しいわけ?」
「私そういうメンヘラみたいなの無理」散々そう言われてきた。
分かってる。
わかった。わかったから、もう言わない
だってそれを言うのだって勇気が必要だし、なのに嫌がられて。
だったら何も言わずに時間が経てば別れるその時に別れた方がいい。それがお互いの為。
「進んでないじゃん」
「…んー食欲無いかも」
それなのにゆきは不思議だ
普通ならここで「あっそ」と返ってくる
俺もその返事が来ると思っていたのに。
「これ、嫌いだった?それとも体調悪い?」
『先輩は面倒見いいよ〜。それに優しいし。絢ちゃんにはぴったりかもね』葵に言われたことを思い出す
ほんとに、今までの人とは人種が違う感じ。
この後のセックスの為じゃなくて、ただ純粋にご飯を一緒に食べたがっているっていうか。
体じゃなくて、俺を見てくれているような感じ。
ほんとに、そんな人がいるのかな…
「その二択なら後者かな。けどそこまでの事でもない」
そう、体調が悪いというより今は気分が悪いというか。
怒っているわけじゃない。色々思い出していたら胸の辺りがごちゃごちゃしてきて息苦しい
こういう日は決まって左手に新しい線が追加される
「俺はまだまだ絢のことを知らない
だから今どうするのが1番いいか分からない」
「いいよ別に、なんもしなくて」
「だから、知りたい
入りは雑だったかもしれないけど、これからは絢のことをちゃんとみて大切にするから。
だから些細なことでも大きなことでも、なんか嫌だなとか、逆に嬉しいなとか思ったら気軽に口に出して欲しい
俺は心の勉強して、それでそれを仕事にしてる訳だし絢が少し言ってくれれば他の人よりずっとその思いを汲んであげられる
…知りたい、絢のこと。だから抱え込まないでこれからは俺にも共有してよ」
「ん。」
なんか泣きそう
別に今まで無理してたとかじゃないのに。
視界が滲んで、俯いた
「…わかった」
そこまで言うなら久しぶりにめちゃくちゃ傷つく恋愛をしてみようか
初恋みたいな、その人に全てをーっていやつ。
まぁどうせきっと別れるだろうけど、今までの人とは違うようだし、別れた後に黒歴史して次に付き合う人への話題提供くらいにはなるだろう
なんかゆきみたいな人は初めてで、だからこそ今までとは少し違った付き合い方をしたいと思った
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
73 / 375