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268にしおりをはさみました!
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落ち着いて、頭で整理して端的に話そうと思っても実際はそういかなかった
「…昼に思ってたのはさ……その…別に言うことじゃないって思った。だって俺が、勝手に…っ」
だから、苦手だ。
改まった話をしようとすると直ぐに涙が出てくる
別に泣きたいわけじゃないのに。
「俺は…ゅ、ゆきが、居なくても、いいんだって思った。いなくても…変わらないって。」
あの2人のように酸素を与えあう関係じゃない
俺はゆきがいなくても生きていけるし、何もなかったみたいに胸の中にその記憶をしまっておける
会う前みたいに普通に、暮らせるんだ
まるでなかったことみたいに。ゆきなんて居なかったみたいに。
言葉にしたら胸がズキっと刺すように痛んだ
思わず胸に手を当ててしまう
言ってはいけない言葉だと昼に思ったはずなのに。
もうその言葉は届いてしまっている
「そっか。
辛そうにしてたから心配で堪らなかった
俺と離れること考えてそんなに悲しい思いさせちゃってたんだ」
「……」
なんて答えていいのか分からない
ゆきは今どんな気持ち?
こんなに酷いことを言われて。
「確かに、葵や真慕みたいな関係ではないかもな俺ら。
でも、もし絢が離れていっちゃったら俺は嫌だって思う
生活は普通にできるかもしれない
でも考えてしまうだろうし、一緒にいる内にできた癖とか習慣とか、ついやってしまってその度にそばに居て欲しいって思うだろうね
今絢は俺と離れることを思って泣いてくれた
泣くってことは少なからずそれが嫌だって感情がある訳じゃん。
俺は今嬉しい
絢の中でそんなに俺の存在を大きくしてくれて。」
「……確かに、そうかもね。」
涙で濡れた頬を袖で拭きながら小さく短く返す
確かに俺たちはお互いがいなくても生活出来る
けどそれでもやっぱり寂しかったりそばにいて欲しかったり、そしてその相手はゆきがいいと思う
離れてしまうことばかり考えるのは、俺の中でその存在がゆきじゃないと嫌だからそれを不安に思うのかもしれない
「…そういうこと誰にでも言ってんの」
ゆきは精神科だし、考え方が大人だ
目の前ばかりじゃなくてどうしてそういう気持ちになるのかとか、違う視点での見方を持ってる
「言ってるわけないじゃん。絢のことが好きだから言ってんの」
言うの緊張したでしょ、ありがとう。と手を取られてそれから後ろから抱きしめられた
「…俺とさ、付き合ってて楽しい?」
「楽しい
もう見るだけで嬉しくなるし話したくて触れたくて仕方ない」
「っふ、そーなんだ」
ゆきは、俺でいいのかな
そんなことを常に思うような性格だからそんなに楽しいって真っ直ぐに言ってくれると気持ちが少し軽くなる
「俺は遊んでてもあんまりはしゃげないし、笑顔も可愛くつくれない
サプライズでなにか貰っても反応薄いし、ピュアでもないから、見ていて楽しい人ではないと思う…自分でも、良くないなって思うけど上手に出来ないから…」
「それ含め俺の好きな絢。
そういうのが苦手だって意識して、頑張りたいと思ってるのめちゃくちゃ可愛い
大丈夫、大好きって抱き潰したくなる」
「…ばか。物騒」
「絢は自分が思ってる以上に可愛い性格してる」
首にチュッと痕をつけられてビクッと震える
「それとあともうひとつ。俺、絢と別れるつもり一切ないからね?」
自信満々。
意地悪っぽく笑うその顔は好きだった
付けていた水色のピンとマスクを外され、布団に寝かされた
「…すんの?」
「俺の気持ち、もっと伝わってもらわないと困る」
「なにそれ」
大丈夫、優しくする。なんてどっかの変態みたいなことを言いながら脱がされた
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