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18歳以上ですか?
#9にしおりをはさみました!
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#9
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「生きたいから」
無意識に出た言葉。
目の前の彼は馬鹿にするわけでもなくまっすぐに僕の目を見る。
「いいよ、続けて」
「いつだって、男のオメガと馬鹿にされて人間らしく生きることができなかった。オメガってだけで今日だって冷たい目で見られる」
この部屋の甘い匂いのせいなのか、彼には嘘は通じないと感じただけなのか普段なら絶対言えない言葉がスラスラと出てくる。
「うちの会社に来てどうしたい?」
「オメガだから能力は低いと思うし、見返すとか大それた事は出来ないです。だから1人で生きられるようになりたいです。」
面接だってこと忘れてタメ口で話してた。
慌てて直したけどきっと遅い。
「そうか。最後に運命って信じるか?」
運命?そんなもの
「信じません」
運命なんて苦しみを知らない人が必然を綺麗事のように言うだけだ。
「ありがとう、面接は以上になります」
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