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留守番④にしおりをはさみました!
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留守番④
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カラスの鳴き声が聞こえて朝日が登っても、この家は静かなままで、紫音が帰ってくる気配はなかった。
あぁ、おれが約束を破ったから。
もう紫音は帰ってこないんだ。
このままここも出ていかなきゃいけないのかな。
また、ひとり…
「にいさん…」
あのときもそうだった。
おれが約束を破ったから、兄さんは帰ってこなかった。
おれがぜんぶ壊した。
やっと会えたと思ったのに、また失うんだ。
「紫音…帰ってきて…」
願うように縋るように、玄関のドアを見上げる。
「ごめんなさい…紫音…」
一日中そこで待っていたけど、足音は聞こえてこなかった。
眠気が限界になって、壁にもたれて、いつの間にかおれはそのまま眠ってしまった。
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カツン、と足音が外から聞こえて飛び起きた。
玄関に目をやると、ドアノブが動いて、ドアが開いた。
「しおん…っ」
紫音が帰ってきた!
「久遠、ただいま」
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