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18歳以上ですか?
野郎の手にしおりをはさみました!
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野郎の手
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出来るだけ俯き加減で歩くことにした。
だって何が楽しくて、野郎と手を繋ぎながら帰らなきゃいけないんだ。
しかもこいつ「先輩とデートだあ♥」とかぬかしながら幸せそうに笑ってるんですけど…。俺の初デートがストーカーにとられるとは思いもよらなかったよ……。
しかし、ファーストキスとファーストデートのどちらかを失うならば、俺は迷わずファーストデートを差し出すだろう。ファーストキスとは女子とすると決めているんだからな!
「ねえ先輩、俺服屋に寄りたいんだけどいいですか?」
「嫌だ、今すぐにでも俺は家に帰りたいんだ」
「え?もしかしてお家デートですか!?
それならいいですよ!今すぐに俺の家に行きましょう!先輩にだったら優しく…」
「よし服屋へ行こう!」
「先輩ってツンデレですね♥」
そう言ってストーカーは俺の手をますます強く握りしめてきた。
ああ、この手が女子の手だったら俺は今頃天国にでも上っていたのだろうに、なぜ野郎の手なんだろうか…。
深いため息をつき、さっきよりさらに俯き加減になる。
ずるずると相手に腕を引かれながら、俺たちは近くの洋服屋へ入った。
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