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18歳以上ですか?
18にしおりをはさみました!
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18
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足を止めた。五歩ぐらい進んでから幸多も立ち止まる。反応遅すぎ可愛すぎ。
「……………おれがいなくてもいいですか」
「そんなこと言ってないじゃん」
「だってそうじゃん」
「穿ち過ぎ」
「女とどっか行けってことだろ」
「違うよ。ただ倫太郎が高校生らしくなったんだなあって、ぼくは」
「高校生ですもん高校生らしいよ。そのものだよ。親目線うざすぎ謙信」
「川中島の戦い」
「うむ」
「うむ」
「…………悲しい。ごめん」
歩き出す。おれが隣に来るのを待って、幸多も前へ進む。
「ぼくもごめん。言葉が足りなかったかな。えーと、倫太郎、親離れしなさい」
「意味不」
「ごめんふざけた。……いいじゃん倫太郎。どうせそのうち彼女が既読無視すんだけどぉ、みたいな相談するようになるよ」
「ならないよ」
「なれよ」
「なりません」
「なるなる」
「なってほしいわけ?」
「だって倫太郎、ぼくのことばっかじゃん」
ぴぇ。
丸っこい顔がこっちを見てる。純真さ。正直さ。もうやだこの人。
「…………そんなことなくね?」
「あるよ」
「どこらへんが」
「今とか」
普段とか。続けて言われて、おれは恥ずかしくなる。顔を隠す。そんなですかそんなですか。おれって。
「やだ? 迷惑?」
「ううん。嬉しい。めちゃくちゃ嬉しい。助かってる。楽しい。感謝してる。ぼくも倫太郎といる時間、大好きだよ」
でもね、と幸多は言う。
「田中たちと競争してんじゃなかった? 君、足速いんだからさ、サボるのもったいないよ」
「サボってんの幸多もじゃん」
ぼくは頑張ってもこの速度だからいいの、と胸を張る。いやもうちょい行けるべや。
「友達だけど、友達だから、能力差が違うとこで無理してほしくないんだよ。倫太郎もっと出来る子なんだから、やってよ。かっこいいとこ、見せてよ」
大好きな人にそんなこと言われたら赤面不可避。
無理して歩幅を合わせてるんじゃない、気遣っておれから幸多に近づいてるんじゃない。おれが好きで、一緒にいたくて、望んでるからこうしてるって、幸多は全然わかってない。
言おうかな言ってしまおうかな。好きなんだよ。高校生だから高校生らしく色々悶々としてるよ。触りたい。えろいことしたい。おれはお前に対してチューしたいとかセックスしたいって気持ち、あるんだよ。
「…………おれってかっこいい?」
「かっこいい」
「やったっぴ。幸多ちゃん、大好き」
「はいはい。ぼくも倫太郎のこと、好きだよ。だから早く田中たちに勝ってこい」
「はーい」
ああ、噛み合わない。
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