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7
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チュンチュンとうるさい鳥の声と
肌寒い空気に起こされ
目を開けた。
「ん…」
枕元に置いてるスマホを起動させると
時間は6時半過ぎ。
いつもより1時間も早く起きてしまった。
それもそのはず
昨日はあのまま自分の部屋に戻って
ゲイ向けのエロ動画をオカズに3回抜いて
8時頃にはふて寝してたから。
「あ、野過からLINE」
昨日の夜、野過からLINEが来ていたみたいだ。
開くと、
「今日はごめん」
「浜松の事ほんとに好きだから」
って。
ギュッと胸が痛む。
全部俺が悪い。
なのに野過に謝らせて
合わせる顔がない。
俺は起き上がると野過にLINEを返して
シャワーを浴びに風呂場へ向かった。
7:00
リビングで家事やらパートに行く準備やらでせかせか動き回る母さんの背中に
行ってきますと声をかけ、
家を出た。
5月と言っても 早朝はさすがに肌寒く、
厚手のカーディガンにして正解だった。
いつもは野過と通るこの道
1人で通るのはいつぶりだろうか。
その時 ブーブーブーブーとスマホが震えた。
画面を見ると、
野過からの電話。
普段電話なんかすることないから
予想外の出来事に一瞬固まってしまうも、
唾を飲み、電話に出た。
「…もしもし」
「浜松!なにあのLINE」
電話の先から聞こえる野過の声は
らしくも無く慌てている様子だった。
「…何ってそのまま」
「昨日のことはほんとにごめん、
でも…」
と、いい何か言いかける野過に被せるように
「じゃあね」と言うと
俺は電話を切った。
…朝、野過にしたLINE
「昨日は俺もごめん。
今日から迎えこなくていいよ」
それだけ。
それだけなんだけど、
俺と野過の接点は、登下校だけなのに
それを切ってしまうのは、もう実質付き合ってないみたいなもんだよな
って自分で言い出しておきながら
悲しくなるのは
俺がわがままで図々しい男だからだろう。
けどこうでもしないと
別れる時、全部一気に接点が無くなるより
辛くないんじゃないかって思ったから。
「早く振ってよ、野過」
「あれ?浜松君じゃん」
聞き覚えのある声に、ぱっと顔を上げると、
こちらを振り向いてヘラッと笑う
志賀天聖がいた。
感傷に浸ってる時に
よりにもよってこんな奴と…
「あれ?優は?」
と、わざとらしく周りを見渡す志賀に
「今日は1人だけど。」
と、言い返すと、
志賀はまたヘラヘラ笑って
「ほーん。喧嘩でもしたんだ?」なんて言うもんだから
図星すぎて何も言えなくなった。
「え、なんで喧嘩したの?気になるなー」と笑う志賀に
「そんなんじゃない」と言い返すと
俺はスタスタと早歩きで歩き始めた。
そしたらなぜか志賀も俺のスピードに合わせて歩き出した
ずっと隣をキープしてくる。
「…ついてくんな」と言っても
「同じ方向だし」と笑う。
めげない図太い精神力に圧倒されつつも
面倒なやつに捕まってしまったことに気がついたが
もう遅かった。
「浜松君ってほんと小さいね。」
「別に俺より小さいヤツなんか沢山いるだろ」
「うーんそれはそうなんだけど、
身長だけの話じゃなくてさ
なんかこう、細いっていうか華奢って言うか?
女の子みたいだなーって」
「は?」
「ほら、顔も、可愛い顔してるし。女の子にちんこついてる感じってゆーの?
…てかちんこついてる?」
と志賀は笑うと
俺の股間に手を伸ばしてきた
「やめろよ!」と慌ててその手を払い除けると、
いーじゃん減るもんじゃないし~とブーブー言ってきた。
…華奢
女っぽい
割と自覚はあった。
昔からそんなこと言われてきたし
けど女の子と比べると男っぽいし
別に女の子になりたい訳では無い。
むしろもう少し男らしくなりたかった。
けど、この見た目だったから、
のんけの野過とも、
付き合えたのかもしれないし
今は、
女の子になりたいと心から思う。
そんなこんなで7時半には学校についてしまった。
まだ人はまばらで
校内も静かだ。
購買にあたたかい飲み物でも買いに行こうとしたとき
志賀も着いてくるとか言ってきたけど
無視して逃げるように購買へ向かった。
「あれ?洸?早くない?」
購買に着くと、ハルがいた。
「あーうん。おはよ。なにしてんの?」
「朝ごはんと、小腹すいた時用のパン買ってんの」
「買いすぎじゃね?」
ハルの両手には10個以上のパンが。
「そうか?パンって腹たまらなくね」
ハルはそう言うと、1リットルの牛乳も買った。
俺はコンポタの暖かいのを買って、
ハルと教室へ向かった。
「朝はたしかに寒いけどさぁ。5月にコンポタはどうなの」
と笑うハル。
「別いいだろ、寒いし…好きなんだし。
お前こそ。1リットルの牛乳持ち歩いてるやつなんか初めて見たわ。
そんな飲んでんのにチビなのはなんでだよ」
「173あるんだからじゅうぶん高いだろ!!」
「172ね」
「四捨五入で3ですー!」
そんな馬鹿なやり取りをしながら教室に向かう。
何だかんだハルといるのが1番好きだ。
落ち着くし、気使わなくていいし。
…てか、俺
ハルと付き合ってた方が、お似合いだったんじゃね?
…って、ハルもノンケだし、モテるし
俺が選べるわけじゃないけどさ。
なんか、野過といる時の俺って
気使ってばっ…
「浜松!!!!」
突然の大きな声に、ハッと我に返ると
5mぐらい先に
怒ったような顔をした野過がいた。
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