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【前回までのあらすじ】 朝倉が出張でいませんでした。
「この野郎~!!笑わないって言っただろ~っ!!」
目の前の朝倉の両頬を手で思いっきり伸ばし、『ほっぺ伸ばし伸ばし』の刑に処する。すると、朝倉は笑いを押し殺しながら、違う違うと連呼する。
「バカにしたいわけじゃないんだよ。」
「…じゃあ、どうして笑ったんだよ。」
むすっとした顔で両腕をがっちり組んでみせるウサギに、朝倉は相手の頭を幾度も撫でながら言う。
「笑わずにいられると思う??オレのお気に入りが、オレを求めてずっと待っていてくれて、おまけに“会いたかった”って言ってくれたんだよ??」
「…っ」
宵宮は、う゛、と言葉を詰まらせる。じわり、と頬に熱が集まっていく感覚があった。
「とびきり素敵な夢の中みたいじゃないか??」
茶目っぽくえへへと微笑む朝倉が何だか急に愛らしく見えてきて、ウサギはそうかよ、と幾らか身体を離して、ぎこちなく首肯を示す。
「…ねぇ、美月チャン。」
美月チャンが良ければなんだけど、といつにも増して真剣な表情で朝倉が語りかけてくる。
「オレ達、カラダの相性もいいし、その…良ければセフレとかじゃなく本当に…ッ」
瞬間。宵宮の手が動き、獣の口の前には、人差し指を立てた拳がそっと押し付けられていた。
「ダメ…っ」
切羽詰まった声が、宵宮の唇から溢れる。
「それ以上言ったら…お前が僕に気安く触れなくなっちゃうだろ!??」
「・ ・ ・。」
数秒、あっけにとられていた朝倉だったが、すぐに意味を理解したらしく、大きく頷いてみせる。
「…美月チャンが望むなら、今のままでいようか。」
「…。」
宵宮は深く俯く。激しく動揺しているのが、自分自身手に取るようにわかった。
『その…良ければセフレとかじゃなく本当に付き合おうか??』
朝倉が飲み込んだ台詞の先を、ウサギは知っている。だが、どう答えていいのかわからない。何より、今あるセフレという互いがある程度満足している関係を捨て去ってまで、変えるべきだとは思えない。
(…って、そうじゃなくって!!…あ、朝倉は僕と付き合ってみたいってこと??え??一体いつからそう思っていたんだ??セフレを提案していた時と同じく、僕が男で、男と付き合うのに興味あるから??それとも…僕個人と付き合いたいのか??)
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