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4月7日③にしおりをはさみました!
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4月7日③
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朝会が終わってからはあっという間だった。
1時間目の国語でテキトーに作文を書き、2時間目の数学で簡単な問題を解き、3時間目の体育でサボりながらもバスケをし、4時間目の社会ですでに知っている歴史を語られた後、昼ご飯を食べて、昼休み。
昨日、浅野からの告白が気になりすぎて眠れなかったので、少し仮眠でも
「深山くん」
「ぅわっ」
机に突っ伏しかけて、突然、後ろから声がかかったのに驚いて、枕がわりの筆箱を落としてしまった。
ガシャンと音を立てて、筆箱は派手に中身をぶちまけた。
教室にいた数名の生徒があーあ、というような目で見ているのが分かる。
仕方がなく、俺はペンを拾う。
「ごめん、そんなに驚くとは思ってなかった」
少しバツの悪そうな顔で、浅野も拾い始める。
いやいいよ、浅野のせいじゃないし……そう言おうとしたけど、俺の目は浅野の腕に引き付けられていた。
たくさんの、傷。噂には聞いていたけれど、実際に目にするのは初めてだった。
これ、全部自分で?痛そう。何でこんなこと……。
「はい、これで全部」
浅野の声でハッと我に返る。
失礼だよな、傷跡を凝視するなんて…。
今更、自分のしてたことの最低さを自覚した。
「ああ、ありがと…」
反射的に口が動くが、頭の中はぐるぐると回っていた。
「……やっぱ、隠した方がいいのかな」
浅野は自分の腕を見つめながら呟いた。
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