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4輪の花にしおりをはさみました!
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4輪の花
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「みずきー、教室移動するよー」
「おう」
今日はまだ桧が山登りを持ちかけてくる気配はない。
だけど唐突な桧のことだから、いつ脈絡なく誘いに来るかはわからない。用心しないと。
「……あっ」
移動の途中、桧が中庭を通る廊下の真ん中で足を止めた。
桧の見つめる方向を見ると、そこにはぐちゃぐちゃになった花壇があった。俺達だけじゃなくて、数人の女子生徒が立ち止まってひそひそと話し合っている。
「ねぇ…ひどくない？」
「誰がやったんだろ…やだぁ」
見れば、うっかり踏みつけた程度じゃ済まないくらいの広さの花が、花弁を散らして茎を地面にへたらせている。
ひでえことをする奴がいるなと思っていたら、桧がおもむろに花壇に向かって歩いて行って、その隅で立ち止まった。
花壇の隅で怯えるように咲いていた花が4輪。隅にあったから踏みつけられずに済んだんだろう。桧がふと、花に向かって何かを呟いた。
「ヒノ？何してんだ」
「あ、何でもないよ。行こう」
……変なやつ。
首を傾げながら、廊下をのそのそと歩いて行った。
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