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27にしおりをはさみました!
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少し落ち着いて顔を上げると、会長が僕と藤枝先輩をムッとした顔で見ていた。
僕と目が合うと、ハッとなり、普段通りに戻った。
「ところで、静はスポーツ祭何に出るんだ?」
「僕は…ドッチボールに出ます。」
「へえ」
僕は運動が苦手だ。
でも何かには出なきゃならないので、仕方なくドッチボールを選んだ。
「…気をつけろよ。」
藤枝先輩はそう言うと、いつものように頭を撫でてくれた。
僕は先輩の方を向いて、はい、と笑顔で返事をした。
そして会長の方に向き直ると、会長が怖い顔をして、ドス黒いオーラを発していた。
(…怖い!)
僕は思わずソファーの上で後ずさった。
「…五嶋。」
藤枝先輩が諭すように会長の名前を呼ぶ。
会長は舌打ちをして、罰が悪そうに頭をかいた。
「お前らいつもこんな感じなわけ?」
「?…ああ、そうだが。」
「静は何でそんなに藤枝に懐いてんの?」
「えっ…」
突然の質問に僕は何て答えたらいいか戸惑う。
ワタワタとしながら助けを求めるように先輩を見ると、ジッと僕の答えを待っており、助けてくれそうになかった。
僕は覚悟を決めて、言葉を発した。
「先輩は…優しいから……」
カァァと顔が熱くなり、僕は俯く。
「それだけ?」
会長はさらに問い詰めて来る。
僕がうーとうなっていると今度は先輩が助けに入ってくれた。
「もういいだろう。西岡が困ってる。」
「ああ。」
つい、静が可愛かったから…と会長が悪びれもなく言った。
(からかわれてたのか…)
「まぁ、納得はいかないがな。」
会長は先輩を見ながら言った。
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