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18歳以上ですか?
33にしおりをはさみました!
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33
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重い足を何とか動かし校庭に着くと、ドッチボールの試合をやる辺りに人混みが出来ていた。
(…?)
ドッチボールは人気競技とは言えず、観戦しに来るのは試合を行なうクラスの人くらいだと思っていた。
不思議に思いながら近づいていくと、柚子を発見し声をかける。
「柚子、遅くなってゴメン。」
「静!大丈夫?…何か、まだ具合悪そうだね。」
顔色が良くない!、と心配そうに見てくる。
「うん…まだ少し…。」
そういうことにしておこうと思う。元気に振る舞うことは出来そうになかった。
「何か…すごい人だね。」
「そうそう!何でか知らないけど会長様が来ててさ。」
「会長が…?」
ほら、と柚子が指差す先を見ると、多くの生徒に囲まれながらも堂々としている会長の姿があった。
(何でこんなところに…)
そう思いつつボーッと見ていると、会長と目が合った気がした。
そして、会長はこちらを見たまま笑みを浮かべた。
キャアアア
「会長今、こっち見て笑った!」
「笑顔も素敵過ぎ!」
僕の周りで会長を見ていた人が歓声をあげる。
やはり会長の人気は相当なもののようだ。
ピピーーッ
笛の音が鳴り響き、試合に出る人達は配置に着いた。
柚子は、具合が悪ければ休んでたらどうかと言ってくれたが、僕は試合に出る事にした。
試合に出ていた方が気が紛れるからだ。
試合が始まり、少しした辺りで会長は立ち去ったようだった。
(見回りに来ていたんだろうか?)
そして僕は案の定早い段階で当てられてしまい、外野で柚子を応援することとなった。
柚子の活躍は素晴らしかった。
相手の球を素早くかわし、甘い球は器用にキャッチして次々と相手の内野を減らして行く。
可愛くてキレイな柚子が、もの凄くカッコ良く見えた。
やっぱり柚子はすごい。
(僕とは…違う……)
何だか遠い存在の様に思えてしまった。
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