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18歳以上ですか?
好きな人にしおりをはさみました!
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好きな人
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翌日、俺と新井君はいつものように登校していた。
昨日は結局、新井君が帰った後すぐに眠ってしまった。
教室に入ると、新井君が話しかけてきた。
「おはよう!二人とも!」
「おはよう」
「おーす」
俺たちが挨拶を返すと、新井君は嬉しそうな顔をした。
「優音はさ、好きな人っているの?」
「えっ!?」
いきなり聞かれて驚いた。
「ど、どうしてそんなこと聞くの?」
「いや、気になって」
新井君はニコニコしている。
なんで、俺に聞くんだろう?
「あの時は好きな人できたら教えてって言ったけど、今いるのか聞いて
なかったなーって」
「いないけど……」
「ほんと?」
新井君が笑顔で迫ってくる。
近いんだけど……。
「う、うん」
「そっか。じゃあさ、俺のことは?」
「え?」
どういう意味だろう。
好きかってことだよね?……わからない。「よくわかんない……」
「そっか」
新井君は少し寂しげに笑った。
その顔がなぜかすごく印象に残った。
その日の昼休み、俺は屋上にいた。
新井君はクラスの友達とご飯を食べている。
俺は一人でお弁当を広げていた。
食べ終わっても、新井君は来なかった。
もうすぐ予鈴が鳴る時間になる。
まだ戻ってきていないみたいだ。
「優音―!!」
声の方を見ると、新井君がいた。
走って来たようで息切れをしている。
「どうしたの?新井君」
「一緒に帰ろ?」
「え?でも、みんなは?」
「大丈夫だよ。あいつらは先に帰ったから」
「そっか……」
今日は週に一回のお昼ご飯後すぐに下校だ。
「行こ?」
「わかった」
俺はお弁当箱をしまって立ち上がった。
「じゃあ、行くか」
「うん」
俺と新井君は二人で歩き出した。
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