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新しい恋、ごちそうさまにしおりをはさみました!
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新しい恋、ごちそうさま
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髪はまだ濡れたままで、膝を立てた体勢でスマホをいじっていた。
「遅いですよ。早くって言ったのに」
「す、すみません。いろいろ……覚悟を決めてきたので」
「覚悟って。何ですかそれ」
多希は笑って久住の首に手を回した。
──し、締められる!?
普段より腕に力が込められていて、久住の背中には冷や汗が伝う。
久住は今までにないほどに自らの命の危機を察した。
……が、意識はまだはっきりしている。首筋に多希がちゅっと吸いつき、ソープの残り香を嗅いでいる。
正直くすぐったいのだが、久住は急所を捕えられ、動けないでいた。
多希がもし頸動脈に噛みついてきたら、出血死もあり得る。
かぷ、と耳朶を甘噛みされて、久住の身体はびくりと跳ねた。
「……っ」
「たかつぐさん……」
甘い声で久住の名前を呼ぶ。しかし、久住の脳内はそれどころではなかった。
これは、今から耳を噛みちぎりますよ、という宣戦布告とも見て取れる。
「ひ、一思いにやってください」
「……一思いに?」
多希は口を離して、疑問を発する。
多希と別れるくらいならば、片耳くらいは惜しくない。
緊張で強張る久住の身体を、多希の滑らかな手が這った。
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