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「……聞いてる? 人の話」
「っ、聞いてるよ!」
眉間に皺が寄る目の前の男に、はっとしてそう返す。
なんか周りがザワついてる気がするけど、今の俺にはさっき言われた言葉の方が重要だった。
(小学生ってなんだよ! 同じクラスにいるんだからタメに決まってんだろっ)
「いくつ? 飛び級、にしてはバカっぽいけど。ここ偏差値低いしね」
質問するくせに自分でべらべらと話す金髪男。てか、偏差値低いなら星城に来たお前もバカってことだからな!
「十六だよ! ほらっ」
疑いにかかってくる男に胸ポケットから生徒手帳を取り出して見せると、髪の色とは真逆の銀色の目が大きくなった。
(……なんだろ。なんかどっかで見たことあるような…………)
「へぇ、マジで十六なんだ」
って、ほんと失礼な奴!
ムカッとしたけどこれ以上関わりたくなくて、素早く生徒手帳を胸ポケットにしまった俺はまた窓の外を見る。
さっきまで清々しかった気持ちがどこへやらだ。
(そもそもこんな奴同じクラスにいたっけ? 俺の隣って空いてたような……)
「佐久間! お前まだ話の途中だぞっ」
「!」
びっくりした……って、ぇえ!?
教室に入ってきた担任の羽崎先生。その声に顔を振り返ったら、なんと教室の入口に人集りができていた。
(え、何事!?)
「ウザ……。別に話すことない」
先生に向かってダルそうに息を吐きながら返す金髪。やっぱりその横顔はどこか見覚えがある気がした。
それに、髪の毛から見えた左耳にはシルバーのリングピアス。
(金髪にピアス……。それに銀色の目。名前は佐久間……?)
「……何?」
「──あ! さ、佐久間蓮!!」
じっと見る俺の視線に気付いたのか、こっちを見た時にはっと思い出した。
そうだ、あの超人気モデルのっ。
「お前はなくても学校の説明や今後の事を「いらない。来たい時に来るし。それに、ここの説明なら……」」
「っ!?」
ガタッと立ち上がった佐久間蓮に周りが一際大きくザワつく。多分、その容姿に。
ふんわりといい香りがした時、ぽんっと頭に手を置かれた。
「コイツに教えてもらうから」
なっ……。
「か、勝手に決めんな!」
バシっとその手を振り払うとなぜかふっと笑われた。
(っ、ちょ……!)
今度はその手が俺が座ってる椅子の背もたれに伸びてきて。上から見下ろされる。のに、なぜか周りからは歓声があがると言う謎。
……いや、確かにカッコいいけど!
でも、
「お前、知らねぇの? 俺が言う事、絶対なんだよ」
性格が好きじゃねぇ!!
「ふざけ「そうか、それなら頼んだぞ! 月波っ」」
はぁ!? 何がそうか、なんだよ!
「せ、先生っ……」
「よし! HR始めるから席つけー。お前たちは教室戻れよ」
なぜか即決されて、先生は周りにいる生徒にそう声をかけると俺の声を無視してその場から離れる。
嘘だろっ。なんでこんな事に……!
「ぁあ、あと今日一日佐久間に教科書見せてやってくれ。忘れたらしいから」
「えぇっ」
振り返ってきたと思ったら立て続けにとんでもない事を頼まれ、反論する余地もないままHRが始まってしまう。
(最悪っ。これ、面倒くさくなって俺に丸投げしたヤツじゃんか!)
恐る恐る佐久間蓮を見ると自分の椅子に座って。頬杖をつきながらこっちを見る。
一々絵になるのが腹立たしい!
「ヨロシクね。月波クン」
「っ」
この瞬間から、俺の新たな日々が始まろうとしていた……。
(とりあえず、教科書見せてやるんだからお前から机近付けやがれ!)
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