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第三話 里の仲間(一)にしおりをはさみました!
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第三話 里の仲間(一)
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朝起きると、立珂は大きな目をきらきら輝かせて天藍の服を並べた。どれを着ようか数十分は悩み、今日は向日葵色の衣を選んだ。袖も付けられるのだが、これは好まないようだった。装着は簡単なのだが、立珂は少し動けば汗をかく。だから出来るだけ涼しい格好をしていたいのだ。
「お袖がいるくらい涼しいとこ行きたい」
「冬は必要になる。それまで我慢だな」
立珂は天藍に貰った服が気に入ったようでにこにこと嬉しそうに満面の笑みを浮かべていた。いつもは笑っていても疲労でどこか元気が無かったが、今日は花が飛んでいるようだった。薄珂の目には立珂を祝福するために花畑が自らやって来たように見えた。身体を捻っても見えない背中をなんとか見ようと必死にくるくると腕を動かす様子は愛らしくて微笑ましい。
(もっとお洒落させてやりたい。余ってる布ないかな)
立珂が喜ぶ笑顔に涙すら出て来そうで、たまらず頬ずりしていると外から慶都の声が聴こえてきた。こちらへ来る時に獣化をしていないのは珍しい。
そして慶都は入室を告げる事をせず小屋に飛び込んできて、一直線に立珂へ飛びつき抱きしめた。
「やったぞ! やったやった!」
「う?」
「どうしたんだよ慶都。ちょっと落ち着け」
「長老様が里で暮らして良いって! 今日から薄珂と立珂も里の仲間だ!」
「「え?」」
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