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31 大輝の敗北 《大輝視点》にしおりをはさみました!
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31 大輝の敗北 《大輝視点》
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やっと動けるようになったが背中に腹部に強く食らった上殴られた手も骨に異常はない。
俺も多少は学んでるから分かる
だが奴は確かにレベルが違った。
奴が言ってた企業の傭兵?海外なら軍関連の企業はあるが、日本で有り得るのか?
それより
陽加や光希に連絡したが繋がらない。
間に合わなかったのか?
とにかくいそがねえと。
だがこの完全な状態じゃない中奴に太刀打ちは出来ねえ。
でも奴に勝るだろう滝は他人の揉め事にはどんな事情でも手は貸さないし、今は旅に出たらしい。スマホも持ってない……師匠
《大輝…力だけが全てではない…
護身だけなら簡単だ。
だがな勝負は全くの別物だ。
打ち勝つ心があればどんな強者でも倒せる》
《気持ちって事すか?》
《そうだ…力ではなく心が強い者が勝つ。
いいか勝てないと思って弱気で戦うな!
不利な相手の場合は長期戦に持ち込まず…
最後はいかに早く一撃で討てるかで勝負は
決まるものだ。技術は教えた…
後は戦う時は心を集中させる事を忘れるな》
心……陽加を守る。
喧嘩とは守りたい奴の為に使う物だったな滝…奴が強えーからなんだってんだ!
次は負けねえ絶対
「とにかくはや…」
「あれっ大輝じゃないか?どうしたんだい?」
「咲哉?なんで?」
「あのホテルで陽加のパパ予約あってさ、でもドタキャンされて帰ろうとしたらいたわけさ」
「ならタクシー一緒に乗せてくれ…
ウチに大至急だ!」
咲哉が真顔になった。
仮にも数年付き合った相手だ。
俺をよく知ってる。
出会って1年程の陽加達よりも…
咲哉は鋭いし、察しが早い。
実は咲哉も少林寺を長年やってきた。
心身とも強さを持ってる。
「とりあえず乗ろ?中で話聞くからさ」
タクシーでウチに戻る途中全て話した。
「そういう経緯だったんだ。じゃあ下手したらもう連れ出されたんじゃないかな?」
確かにだいぶ経っちまってる。
ん?俺のスマホだ。光希
「光希か?陽加は?」
「ヒック…大輝…陽加が連れてかれた…ウウッ」
「もうすぐ着くから待ってろ。
咲哉遭遇したら援護頼むわ陽加最優先でお前が最悪2人を連れて匿ってくれ」
「カッコつけないの!ハッキリ言って
今の状態じゃ足止めも無理だよ。連れ出すのは逆だよ。僕が足止めするから気にせず逃げてね。まぁもう居ない可能性高いけどね」
自宅前に着き、光希と合流したらすぐ抱きついてきた。泣いて事情はよく分かった。
間に合わなかった……
陽加……チクショー!
咲哉も一緒に3人で一旦中に入った。
「アンッ!アンッ!」シロも叩かれたみたいで一応状態確認したが怪我はなさそうで安心した。
「ごめんなシロ陽加守ろうとしてくれたんだもんな?」
「アンッ!」ペロペロ
咲哉は棚借りるねと言って紅茶を作ってた。
咲哉の紅茶好きだった。確かに気分を落ち着かせて冷静にさせてくれてたな。
こういう乙女な所も好きだった。
「陽加のスマホも置いてかれて探す手掛かりもないし、早く助けないと陽加は…大輝!」
「いや、俺が1人で探しに行く」
「2人とも落ち着いて…まずはお茶を飲んで話し合おうね」
「うるさいな!他人は引っ込んでてよ」
「光希!」
「光希…今そうやってジタバタして解決するのかい?僕も協力するから落ち着いて。
冷静さを失えば判断力も鈍り逆に救出も
失敗しやすいのさ。
僕ね長年少林寺拳法やってるし、
心を鍛えてきて修羅場も多少慣れてるのさ。
光希、陽加が大事なら尚更君らがしっかりしなきゃいけないんじゃないかな?」
「・・・それは」
「喧嘩したら勝てなかったな咲哉には。
まず俺が追ったのが間違いだったんだ。
まさか特殊部隊員並のプロだったとはな」
「まずは場所の特定と救出…と言っても場所もバレた以上連れ帰れてもまた来るだろうし大輝や光希の立場が悪くなっちゃうね」
「じゃあどうしたらいいの?」
「咲哉場所は職場を通して分かりそうか?
予約には記載が必要だよな?」
「本来なら個人情報だけど多分調べれば」
「なら大輝すぐ行こう?」
「いや、よくよく考えてみたら今回はただの
救出とは違う。
捜索願を出した親族が相手だ。
下手に動けば俺は警察行き、光希も家族に連れ戻されるか同罪扱いか。
咲哉も協力しちまったら仕事失うかもしれねぇ。3人ともリスクは高い救出劇になっちまいそうだな」
「じゃあ諦めんの?
でも大輝俺っちだって助けたいんだ!
陽加は俺っちらの大事な恋人なんだよ?」
「んな事分かってる!俺だって悔しいさ。
陽加を守れなかったんだからな」
「一応僕がいい方法思いついたよ。
だけど捜索願い取り下げるまでは待たなきゃいけない。多分1日か2日くらいかな。
その間に住所調べておくから」
「そんなの待てないよ!
今すぐ助けに行かなきゃな陽加が危ないよ」
「だから落ち着けって何度も言ってるよね?
今慌てて行ってどうするの?」
「助けるに決まってんじゃん!」
「それは当たり前…
でも大輝よりも強く一応は父親である彼からどうやって無計画に助けるの?
ただの誘拐にしかならないし、17なら君だって最悪逮捕はされるよ?
3人一緒になんて2度と暮らせなくなってもいいなら1人で行きなよ?
彼に倒されるか、一緒に監禁されるのがオチだろうけどね」
「じゃあどうしたらいいの?」
「いい方法あるって言ったよね?
もちろん早めに救出しなきゃいけないけどそのためにもしっかり準備と対策しなきゃ助け出せない…それに彼だって殺す訳じゃない。
今彼は助けを必死に耐えて待ってるよ
だから2人も今は堪えて……ね?」
「咲哉を信じたいが無茶はすんなよ。
危険な分野なら俺がやる」
「まだどうなるか分からないからいくつか
考えなきゃいけないけど。
今考案してる作戦はこうだよ……」
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