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現実 -6-にしおりをはさみました!
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現実 -6-
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一番ハッキリと感じたのは、一ヶ月以上前のことだ。木田と2人、車にいて、彼の前で大泣きをしたときのこと。
あの時、女々しく卑しい気持ちが芽生えていた。
木田に抱きしめられたい、その腕の中で泣かせてほしい、頭を撫でて、慰めて、身体に触ってほしい。不本意なセックスを受けた直後で、その記憶を身体で塗り替えてほしいと思った。
甘えでしかない劣情は、その時認めないことにした。それ以降もpmpのマネージャーを続けていて、仕事中は彼らをそういう目で見てはいなかった。
だが、彼らが酔っ払い寝こける姿を見て、それを部屋まで運んで、2人きりになって。そこで、自分もその隣に寝そべってしまいたい衝動に、何度駆られたことか。
彼らを男として求め、それが叶った時、それはどれほどの快感だろう、どれほどの罪悪感だろう。
ずっとそんなことを、考えていないつもりになっていた。
でも、彼らが欲しい。彼らに抱かれたい。だって憧れだから、大好きな人たちだから。
一番、心を許しているから。
黒宮、武上との関係が終わった後で一番残った、厄介なもの。pmpの2人への想いが、今までと違う形で、具体的な欲望になったことが、それだ。
「あぁーー……っ!!」
絶頂の合間で、櫻井は2人の愛撫に溺れる自分の幻影を見た。引きずり出された欲求が、とめどない快感に拍車をかけていた。
「……くくっ」
唐突に、武上が吹き出した。
「ハハハハハ……本当いいなぁお前!いい感度だ、ケツの方も相変わらず使ってたのか!?誰に掘ってもらってたんだ?ん?」
キャラ作りをやめた武上は乱暴にハンドルを切って、裏路地へと向かった。
「最初はアナルいじってやったってボケーっとマヌケ面してたくせになぁ……今じゃこんなもの欲しそうなアホ面だ」
適当な暗がりに車を止めるとンーッと伸びをして、櫻井の方を向いてニッと笑った。
「どっちのお前も俺は好きだよ。強いて言えば、簡単に人間が変わっちまうお前が大好きだ」
「あぁっ……!」
耳に吐息がかかって、また中に入った器具を締めあげた。断続続的な絶頂のせいで、全身が敏感になっている。
「うううぅっ……!」
締めるほどに前立腺が圧迫されて、また締めてしまうという悪循環。もうどれだけこの状態なんだろう。身体も頭も麻痺してきたような。
「あぁんっ!!」
シャツを上から乳首を捏ねられて、自分でも驚くくらいに身体が跳ねた。
「ほら、もうちょっと頑張れ」
「あっ、ハ……ぃぁぁ……」
喘ぎ声すらうわ言めいてきたとき、座席が倒され櫻井は仰向けになって、あの写真が見えなくなった。
……今は木田のことも見えない。木田は自分を見ていない。
今自分を見ているのは、今ここにあるのは、散々に求めていた身体、男の身体だ。
武上が上に跨って、その身体のシルエット分だけ視界が闇に覆われた。
逆光で陰にはなっているが、彼もズボンを下ろして、あの横暴なペニスを出しているのが、陰の動きと、ジッパーと衣擦れの音で分かる。櫻井の息が更に荒くなった。
「んんっ……!」
唾液の溜まった口内に舌が侵入してくる。わずかなくすぐったさと息苦しさが、脳を更にとろけさせる。
「んん、はぁ……ぅぅんっ……」
櫻井はそこで、完全に屈服した。武上の口づけを受け入れて、更に自分から舌を伸ばして、男の唇をほしいままに味わい始めた。
その身体に引きつけられるように、身体をこすりつける。手枷さえなければ、武上に抱きつきだしていただろう。
ほしい、セックスがしたい。
櫻井の頭は、完全に身体に支配された。
「なぁ、チンコ舐めたいとかって思う?」
「ううぅっ!!」
裏筋を撫でられて身体をビクビク震わせて、また後ろで絶頂を感じた。
「あぁ、はあぁ……」
「舐めたい?」
「あぁ……なめたい……舐めたい……」
櫻井は甘い声をあげると、武上が声にならない笑い声をあげた。
「大好きな悠ちゃんのチンポじゃなくて悪いけど、我慢してくれ」
鼻にムッとした熱気が近づいてきて、それに導かれるままに口を開けた。
「んんー……!」
腰がビクビクと震える中、久々に咥えたペニスは、興奮を後押しした。
「んふ、んぅぅっ……ふうぅっ……!」
口いっぱいに性器を頬張っている、その事実にすら興奮する。目も、口も、鼻も、耳も、その性器の存在とそれを舐めている感覚とを感じて、脳を支配してくる。
興奮はすべて、快感に加算されて……
「んんんんんっ…………!!」
ペニスを味わいながらのオーガズムに、櫻井は酔いしれた。
この太いペニスで、ナカをグチャグチャに掻き回してほしい。それで最後に、あたたかな精液でいっぱいに満たされて、その中で自分も果てたい。
「あぁ……」
武上が身を引いて、ペニスがズルリと口から離れていく。櫻井は名残惜しく舌を出して、その先端を舐めようとした。
「ハハハ……分かった分かった、そのまま待て」
武上は口から覗いた櫻井の舌の上に亀頭の部分を当てて、自分の手で扱き始めた。
「は、あ……」
櫻井は待ちきれないように舌を伸ばして裏筋や尿道口をペロペロと舐めては、武上の射精を促そうとした。
「あぁ、気持ちいい……そんなにザーメン飲みたい?自分ので飢えでも凌いでたか?」
「しねぇよっ……でも、あぁ、今はっ……」
「ああ、いいよ……ほら……!」
武上は唸りながら、櫻井の舌の上に精液を溢れさせた。
「はぁ……んん、ぅん……んっ!……」
櫻井はその粘り気のある液体の舌触りを感じながら、まだ残滓を垂らすペニスの先に吸いつくようなキスをしていた。
その最中に武上の手が櫻井の尻に回る。中に入っていたものを抜き出して、櫻井は震えた。
中に何も無くなったアナルはなおも余韻で締まっていたが、快楽責めから解放された櫻井は、グッタリとシートに凭れた。
「はぁ……うん、久しぶりでもちゃんとフェラできたな、偉いぞ」
「……いい加減、帰してくれ」
長い責め苦を終えて、櫻井は少しだけ我に返っていた。
「バカ言うな、俺たちの戦いはこれからだぞ?休んでていいから、もう少し付き合え」
武上はペニスを服の中に収めると、また運転席に戻って車を出した。
「…………」
櫻井は仰向けのままで、自分の服も整えられないまま、武上の言葉に甘えるように目を閉じた。
空虚……というほどではないが、心身ともに消耗して投げやりな気分にはなっていた。疲労に身を任せ、エンジン音を聞きながら櫻井は意識を途切らせた。
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