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開発 -4-にしおりをはさみました!
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開発 -4-
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櫻井は体を起こし、何度か首を回した。その動きに合わせてゴリゴリと音が鳴る。ずっと固いタイルに寝ころんでいたせいで、だいぶ背中が痛んでいた。
「あと15分あります」
彼が持参したタオルで手を拭きながら、武上はそう告げた。
「ここから10分間、両の乳首を指と口で愛撫します。残り5分はシャワーをお借りして、体を流します。よろしいでしょうか」
「あー、はい」
10分間乳首を責めるというのも、声に出されたものを聞くとなかなかのものに感じた。
「では、もう一度先ほどと同じ体勢になっていただけますか」
「はい」
あと10分……と渋々仰向けになった櫻井の上に、武上が覆いかぶさったとき。
「いててててっ」
櫻井は悲鳴を上げた。
まだ乳首には何もされていない、痛んだのは足だ。
武上の体が足の間に割って入ってきたために足を更に広げなければならなかったのだが、何せ狭い浴室だ。壁、浴槽にそれぞれ両の膝が付くほど広げたが、それぞれが武上の肉体と壁とに挟まれた状態になったのだ。
「申し訳ありません」
今まで淡々とした動きを続けていた武上だったが、このときばかりは早急に体を起こした。
「……浴槽に腰をかけていただけますか」
「分かりました」
櫻井は起き上がって、浴槽のへりに腰掛けた。尻を付ける時に肛門にむず痒い痺れがあったが、櫻井が気にしていたのは別のことであった。
武上の仕種や表情にこそ動揺は見られないが、詫びを入れてからの動きと代替案を示すまでの『間』には、今まで感じられなかった人間味があった。
「失礼します」
そんな緩急のある動きを見せたのはそれ限りで、櫻井の前に跪いてから櫻井の両の乳首にそれぞれ顔と指を寄せて愛撫し始める動きも、淡々としたものだった。
「…………」
自分の胸にくっついた男の頭を見下ろし、何だかなぁとやるせない気分になった。
良い年になった男同士で、お互い嬉しいわけでもないだろうに乳首なんか舐めて、武上自身は嫌にならないのだろうか。
それともどうだっていいのだろうか、自分と同じように。
しかし舌先、それに指の腹で乳首を転がされて、櫻井もさすがに反応するものがあった。櫻井はその刺激に耐えようとした。
力を入れて浴槽のへりを握り、唇をギュッと結び声を出すまいと努めた。
「ん……っ……ふっ、ふふっ」
無理だった。堪え切れず笑いが口から洩れた。
「くすぐったい……ひひっ」
反射的に体をよじらせて武上の愛撫から逃れてしまった。
「やめますか」
「いや、つい動いちゃって……大丈夫なんですけど」
「それでは方法を変えます、お立ちください」
「……あぁ、はい」
櫻井が立ちあがると同時に武上も立ち上がる。武上の意図を理解した櫻井は、何も言われずとも彼に背中を預けた。
武上は何も確認してこなかったが、後ろから櫻井の身体に手を回し、乳首への愛撫を再開した。
「ぅ……くくっ……」
極力押さえるつもりでも笑いは度々吹き出てくる。
しかし体のバランスが崩れそうになると、武上が乳首を摘まんだり捏ねたりしながらも、抱きとめるように体を押さえるので、その刺激が止むことはなかった。
そうしたむず痒い愛撫を続けられながら、櫻井は体の変化には気付いていた。
半勃ち程度ではあるが、少しペニスが反応している。
両の乳首もツンと立っていて、立てば立つもんだと自分の身体ながら感心してしまった。
櫻井はチラリと自分の背後に目を向けた。
武上の股間には、何の反応も見られない。その点についてはこの男は真っ当なようであった。
しかし余計に分からなくなる、何が楽しくて、なぜそうまでして、この男は黒宮の指令を忠実に遂行しようとするのか。
逆らえないのか、逆らわないのか。
櫻井は背後の男の様子に神経を傾けた。
場合によっては武上は、黒宮を攻略する上で大きな存在となるかもしれない。
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