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拾ったのは黒い犬ですか?それとも腹黒い犬ですか? 5にしおりをはさみました!
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拾ったのは黒い犬ですか?それとも腹黒い犬ですか? 5
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警察の犬は飼い主の命令には逆らえない。それがたとえ殺人であっても、己の死であっても。
最初の事件が起こって半年、犯人の目星も証拠も見つけられなかった警察。警察の裏、犬を使って捜査をしていたのか。それは、当時のウチの上司も知らないはずだ。
だがウチの上司もアホじゃない。当時の俺の話を聞いて俺が言う美少年が犬だとすぐに気づいて、なかったことにした。俺に、忘れるようにきつく言った。
それでも俺は1人で、ブラッディバースデーの最後の事件とこの美少年について調べていたから。いつかは消されると腹をくくっていたが。
暗殺は見当違いだったか。だが、警察署内で最近死んだ人がいるなんて聞いたことがない。どういうことだ?
「僕も飼い主も裏の存在。最初から存在していないんだよ。それでさぁ、課長さん?僕の新しい飼い主になってねっ。袖触れ合うも他生の縁って言うでしょ?」
マジか。“最初から存在していない”というのは、潜入捜査に使う警察によくある。
潜入捜査、スパイ活動をする警察は、その任務を受けた時から戸籍が抹消。自分にまつわる全ての記録が消され、この世界に存在しない人間に生まれ変わる。
それは犬の飼い主の警察もそう。だが、犬もそうだとは知らなかった。犬には初めて会ったが、他の犬もそうなのかと問えば「僕は特別なんだよ」と微笑むだけ。
その微笑みがどこか、悲しそうに見えたのは俺の気のせいか。裏の者によくある、ワケアリってやつか。
いうなれば、この子はお古。しつけなくていい、便利な部下。ただし、自分の犬だということは隠さないといけない。そして、犬の衣食住は飼い主が責任を持つ。
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