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未知との出会いモッチモチ 9にしおりをはさみました!
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未知との出会いモッチモチ 9
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うん?今度はいつもの、元気いっぱいで明るいミナギだ。何か呟いたようにも聞こえたが、俺には聞こえない。
タピオカミルクティーをこぼさないように気をつけながら走って、ミナギの前に回り込んで腕をつかんだ。
顔を上げたミナギは笑顔で、俺の手を引いて近くのベンチに座った。商店街の中心にある、ハトが餌を求めて群がってくる広場。休日にはイベントをしているが今日は平日だから何もない。
早速寄ってきたハト達。寄るな、俺達は餌を持ってねぇよ。
とはいえ、足で蹴散らすわけにもいかない。無視して、ミナギに目を向ければ。寄ってきたハト達にテンションが上がると思ったんだがな。
地面に足がなかった。ベンチに足を上げて、膝を抱えるようにしてカップの中の白いドロドロを飲んでいる。
ハト、嫌いなのか?いや、違うな。声をかけようとしてやめた、ボーっとしている。あーあ、何を考えているんだよ?
「美味いか?」
「え……あ、うん!僕、杏仁豆腐もマンゴーもタピオカもスムージーも初めてだけど、甘くて優しい味。タピオカも不思議な触感、モッチモチ!んー、おいひーっ」
いや、いくつかタピオカを飲み込んでただろ、絶対。ストローを上がっていったタピオカがミナギの口の中に消えて、すぐにゴックンしたのを見てるからな。
で、声をかけたら慌ててモグモグしてさ。何を考えていたのか知らないが、詰まらせるなよ?
やめろ。甘いんだろ?俺に「藤代さんも食べてみなよ」ってストローを向けてくるな。俺には微糖のミルクティーがある。無論、これをミナギにわけるつもりもない。
オッサンと少年が、タピオカ飲みながらベンチに座って。しかもお互いのを分け合うとか。絵面がヤバいだろうが。
俺の部下がどこで見ているともわからないんだぞ。明日出勤して、あらぬ噂を広められれば俺は事務処理しかできなくなるぞ。
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