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7にしおりをはさみました!
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7
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日付が変わる頃、近くに人の気配がして起きると、ソファーで寝ていたはずのウィルがいつの間にか隣にいた。
『寝ぼけてウィルのことを喰うかもしれないから、別々で寝るぞ。お前はソファーな』
『え、俺がソファー!?こーゆー時ってフェンリルがソファーじゃないの、俺お客さんだし』
『人質の間違いだろ。文句言うな』
子供のようにぐずり、ウィルは最後まで言うことを聞かなかった。喰うというのに何でそんな奴と一緒に寝てるんだ、こいつは。
「無防備だな……」
すやすやと気持ち良さそうに眠っている。
頬に引っ掻いたような傷。新しくできたのか、かさぶたになったばかりのようだ。カッコイイ顔が台無しだな……
なぞるように頬に触れる。
「なにさわってんだよ」
ウィルの口が動いて手を離す。寝ぼけた声。瞼が半分開き、視線が重なる。
「あ、ごめん。起こした……」
「なに、ねむれんの」
「ウィルがここで寝てたから起きた。てか、何でここで寝てるの。寝ぼけて喰うかもって言ったよね」
「うん、でもさむかったから」
ギュッ。
腰を引き寄せられ、ウィルの腕の中へ。
ドッ、ドッ、ドッ……ウィルのゆっくりとした鼓動が聞こえる。
何だろ。ウィルの鼓動を聞いていたら急に緊張してきた。
「ふふっ……フェンリルのしんぞー、はやいね」「し、知るかッ!離れろッ!」
何でこんなに鼓動が速いんだ。ドクドクうるさいッ……静かにしてくれッ!
何だかじっとしていられなくて、布団の中を動き回る。
「フェンリル、あばれないで。いっしょにねよう」
「寝られるかぁ!!」
その後、俺は一睡もできず朝を迎えることとなったのだった。
会ったばかりというのに、ウィルは友達のように接してくる。人懐っこい性格なのか、同年代だからか距離感が近くて困る。最初は凄くツンツンして可愛げなかったのに……なんだこの差は。
いつもと違う状況。その上に寝不足でイライラして、口調がきつくなる。
「なぁなぁ、ご飯はないの?」
「ない。あっても豚肉しかない」
「米は?」
「ない。食べれないものを置いてたって、お金の無駄遣いだ」
ソファーに寝転がり、目を閉じる。
ウィルを預かる間、仕事は入れてない。リークにも事情を話して了承を得た。でも仕事がないってことは、ご飯が食べられないってこと。かろうじて食べられる豚肉を食べることはできるけど、寝不足で食べる気がしない。
「フェンリル、ご飯買ってきていい?」
「勝手にしろ。逃げてもいいが、逃げたら電流流れるから。痛い思いしたくなければ戻ってこい」「はーい。じゃあ、いってきまーす」
ウィルが出て行った後、俺はそのまま目を閉じひと眠りしたのだった。
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