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だってもう、意味がないにしおりをはさみました!
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だってもう、意味がない
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「申し訳ございません! 修復に時間がかかり、救出が遅れてしまいました。相手が新型とは言え、攻撃を許したのは一生の不覚。乃蒼様のお身体に一つでも傷が付いたら、私はもう、どうしたらよいか……」
再起動を終えたばかりで混乱しているのか、ラヴィが一気にまくし立てる。
「僕はどこも傷ついてないよ。それより、ラヴィこそ自動修復でカバー出来るダメージで済んだの?」
「ええ、殴られた衝撃で緊急停止モードにはなりましたが、それ程ダメージは受けておりません。恐らくセフィドの故障は深刻で、全力の攻撃が出来ないのでは」
ラヴィがそう言って、倒れているセフィドに目を向ける。
セフィドの体からは、先ほどよりも大きな火花がバチバチと弾けていた。それでも金属の軋む音を鳴らし、セフィドはゆらゆらと上体だけを起こす。
地べたに座り込み、相変わらず真っ赤な目で僕らを見上げてにやりと笑った。
「はは。キミ、旧型なのにタフだねぇ。驚いた」
「もう動くのはお止めなさい。あなたの身体はここに来る前から、既にボロボロだったのでしょう。これ以上無茶をすると、本当に修復不能になりますよ」
僕を背中に隠しながら、ラヴィがセフィドに訴える。
「いいよ、壊れたって。だってもう、意味がないもの」
セフィドは自分が着ているシャツの袖をビリッと破くと、その腕を僕らに見えるように突き出した。
所どころ人工皮膚が剥がれ落ち、中の回路が剥き出しになっている。
想像より酷い破損状況に、僕らは思わず息を飲んだ。うなだれたセフィドは、弱々しく言葉を続ける。
「あぁ、気にしないで。今負った怪我じゃない。腕の他に、足や背中も、こんな状態なんだ。主に会ウために、今まで動いてきタ、けど……でも、モう、主はどこニもいなイんだろ?」
セフィドの合成音声が、段々たどたどしくなっていく。
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