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「あー…癒しが欲しいーー」
金曜日の仕事終わりガヤガヤと騒がしい居酒屋で
俺、渡辺真紘は親友の山下幸に呟いた。
「急に飲みに誘うから何かと思えば…
そんな事で俺は誘われたのか?」
こっちは明日も部活の引率って言うのに…と文句を言いながらも連絡をすれば必ず来てくれる所は相変わらず世話焼きだ。
「そんな事じゃねーよ。こっちは毎日ニコニコしながら嫌な仕事も、嫌な奴も相手して体力的にも精神的にも参ってだって。」
「なら、その誰にでもニコニコする猫被りな性格をどうにかする事だろうが。
そもそも人見知りのくせに何でわざわざ会社で猫被って仕事しているかが俺には理解出来ないんだけど」
そう、俺は会社では明るくて人懐っこい性格と言われるように振る舞っている。
理由は簡単、『明るくて人懐っこい俺』を信頼して、仕事も上手くいくからだ。
けど決して簡単に人を信用しない。
人は簡単に嘘をついて、有る事無い事を想像で語り、噂を広める。
だから学生時代は周りと距離を取った、それが楽だったから、だけど社会人になったらそうもいかない事に気づいた俺は『明るくて人懐っこい俺』を演じれは良いと思い考えて現在に至る。
まあ実際それで仕事は何とかやってこれた。
「今更やめれるかよ。現にそれで今までも仕事は上手くいってんだからやめる必要はないだろ」
「でもそれで疲れ切って、癒しが欲しいとか言ってるだろ?ならやめてしまえばいいだけの話」
「うるせーーーコミニケーションお化けのお前にはわかんねぇだろ」
そういうと俺は生ビールのジョッキを一気に飲み干した。
駄目だ、生ビール飲んだくらいで全然スッキリしない、どうせ明日は休みだし、もう少し飲むかと居酒屋のメニュー表を手に取ろうとした、
「こら真紘、お前酒弱いんだからあんまり飲み過ぎんなよ」
「いーじゃん俺は明日休みだぞ!休みの前の日くらい飲ませろ〜」
「駄目だ。お前忘れたのか?前回酔っ払って俺と店出て別れた後、女の子引っ掛けてホテル行ったとか言ってただろうが」
「あーあったなそんな事、まあでも俺覚えてねーし。
お互いそれっきりって事でホテル出る時話したし、いいだろそれより飲ませろよ。
すいませーん、ハイボールください」
「あ、おいっ!ったく…俺は忠告したからな」
「はいはいワカリマシタ」
今思えばこの時の幸の忠告をきちんと聞いていればよかった。
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