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モブ~腐二次創作弱虫ペダル箱学モブ目線にしおりをはさみました!
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モブ~腐二次創作弱虫ペダル箱学モブ目線
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オレはモブだ。
自転車競技部百人いて、五十番目くらいだろか。
洗濯室には落ちないけど、滅多にレースには出られない。
インハイ常勝校ったって、出場顔ぶれはほぼ決まってる。
やつらは激速い。
変度に比例して早い。
やつら見てるとチマチマ練習してる自分みたいなのはバカに見えてくる。
主将は名将福富福一の息子だ。
その姓に恥じない熱い走り。
でも男好きで節操がなく、走れるっぽいからってただそれだけの理由で、部外者育てた大バカヤロウだ。
その熱意、内部に向けてくれたら、オレたちモブだってまだ頑張れるじゃないか。
上の方厚くされたらフテるばかりだ。
クライマーはナルシストだ。
カチューシャ髪に差して、いつも自分を鏡で見てる。
女子のファンは全部自分のものって豪語してるが、女子の大半は引いてるぞ。
そんなこともわからないやつがトップクライマーだ。
総北のクライマー~タマムシ色の髪の、変な登りする薄気味悪いヤツ~に惚れてるって噂聞いた…
エースアシスト二人は主将が信頼する二人。
顔の濃いハンサムとロの悪いチンピラ。
ハンサムは主将の幼なじみで、チンピラは主将が拾ってきたノラ犬だ。
それが三年レギュラー…
でも、奴らは来年卒業する。
残るのはカラダ鍛え魔と羽根小僧。
オレたちにも出番あるかも…
「そいつはねえな」
「!」
振り向くとそこには黒田が立っていた。
薄色の髪、ねめつけるような目線。
小ぶりな荒北靖友かと一瞬思った。
「北井。おまえには悪いが来年はとりあえず三人うまってる。俺、泉田、羽根小僧。あと三人の候補もたぶん見えてる」
「おまえ羽根小僧に負けたんだろが」
「来年は勝つさ。それだけの努力はしてる。対しておまえはどうだ。この一年何をしてきた」
「オレは…」
返答に詰まる。
オレなりにはやってる。
でも確かに先輩がたは、いつも卒先して走ってた。
オレらがバテて倒れても、軽口叩き合いながら走ってた…
「努力が違って根性が違う。でも、あとは何にも違わない。だから俺、走るんだ」
「ユキー」
プニュッと太った泉田が来る。
冬の泉田、力を蓄える泉田。
そして夏に変貌する…
「あのくらいのコトが平気で出来なきゃ残れねえ。でもな、戦う自転車ばっかじゃなくてもいいんだ。育てる自転車もアドバイスする自転車もいていい。おまえはどんな自転車になりたい? まずそこから決めんだよ」
丸ポチャ泉田に手を振ってる。
「今行くー」
黒田雪成が去ってゆく。
来年を期して去ってゆく。
しまった筋肉、戦闘的な瞳。
オレはどんな自転車だ?
オレはモブだ。
でもただのモブでいるのはやめよう。
きっと俺でも何か出来る。
そう思って生きてみよう。
こんなでもオレ箱学の、自転車競技部員だからさ。
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