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RE BIRTH~R18腐二次創作弱虫ペダル福金、金城目線にしおりをはさみました!
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RE BIRTH~R18腐二次創作弱虫ペダル福金、金城目線
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卒業式も、追い出し会も終わった。
大人でない俺たちは、飲み会を開くわけにもいかないし、何より来年は追われる身だ。
手嶋たちは寸暇を惜しんで練習するだろう。
祭りはとっとと終わった方がいい。
田所は千葉駅前店に寄って手伝うという。
俺も行こうかと言ったら、絶対来るなと言い切った。
焼き上がりクロワッサンを二十二個、すっ転んで駄目にした春頃のバイトを、全然忘れてくれない。
悪気はなかったのに。
自宅に帰る。
父と母は各々の、仕事の都合で今日は遅い。(卒業式を見届けて、二人ともとっとと職場に戻った。)
メシでも炊いておいてやろうと、割烹着を着て米をといでいると、玄関チャイムが鳴った。
ビューも見ずにガチャリと開けると、福富が立っていた。
黙ってドアを閉める。
だが閉じきる前に福富は、有能なセールスマンよろしく靴をドアの隙間に差し込んだ。
自転車乗りが自転車乗りの足を潰せるわけないじゃないか。
まして福富は安全靴を履いているわけでもない。
俺はぴたりとドアを止め、やつを中へと招じ入れた。
招じ入れたのは家の中にだ。
俺のなかにではない。
なのに俺は玄関先に押し倒された。
「割烹着姿。すてきだ」
下半身だけはだけられ、あの巨砲で貫かれた。
壁際まで押しつけられ、ぐいっ、ぐいっと腰を使われる。
なじんだ男根がそこに当たり、思わず熱く息を吐く。
福富っ、福富っ。
恋ではない。
けれど躰が知ってしまった。
男と睦む快楽。
正直に言おう。
たまに手淫する。
福富を思うこともある…
「金城っ、金城っ、金城っっ」
うわごとのように囁きながら、福富がアゲてゆく。
俺も…アガる‥
一緒にシャワーを浴び、一緒に牛乳を飲む羽目になった。
卓上のフルーツバスケットに林檎を見、福富は欲しいと目でねだる。
どうぞと目で示すと、嬉しそうに、本当に嬉しそうに手に取った。
「ヤリにきたのか」
「違う…結局そういうことになってしまったが」
と頬染める。
「頼み事に来た」
差し出されたのはあの温泉饅頭。
重要な話があるときの、福富の必須アイテムだ。
俺は片眉を上げ、福富に話せと促した。
洋南大寮への引っ越しは、思いのほか遅れた。
思い通りの部屋があくまで少し時間がかかったのだ。
実験が出来て室内トレーニングが出来て、コーヒーメーカーが置ける部屋。
学生課の女性は眉をひそめて、
「贅沢ですね」
でもパラパラと書類をめくり、もっと眉をひそめた。
「部屋割りを変えて欲しいと朝晩二回ずつ言ってくる学生がいる。一年生。部屋広いし、どお?」
自分のベッドに横たわる荒北を、たてたばかりのコーヒーを飲みながら、見守る。
横たわってる理由は、俺が落としたからだ。
どんな手違いからか、荒北は福富と、違う大学に合格した。
どんな手違いからか、福富も洋南に来ると思い込んでいた。
違うとわかって荒れていた。
淋しくて。
頼まれたのはそこだ。
荒北は弱い。
ちょっとしたことで自転車をやめてしまうかもしれない。
だがあの男には才能がある。
走りの形も明早より洋南向きだ。
もしよかったらだが、荒北を育ててやって欲しい。
あの一年生トリオを育てたおまえならきっと出来ると…思うのだ…
今ならわかる。
福富は荒北を育てていた。
荒北は身も心も、福富に心酔していた。
あの男は自分の走りでなく、福富の走りを追っていたのだ。
でもその走りはかれ本来のものではない。
本当の自分に立ち返るときなのだ。
それを俺に頼むと福富は言った。
バトンは渡され、俺に引き継がれた。
だが俺は福富の操り人形ではない。
俺は俺のやり方で、荒北を変えていくことになるだろう。
今泉も鳴子も、小野田坂道でさえも、自分の走りを走る。
なのにかれにはそれがないのだ。
「尻の躾から始めにゃいかんのか」
呟きながらも楽しみでもある。
箱学の野獣はどう育っていくのか?
果たして俺の手に負えるのか。
「ん…」
荒北が呻き始めた。
もうすぐ意識が戻る。
調教の、
いや、
育て直しの始まりだ。
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