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三人三様15 恋する~R18腐二次創作弱虫ペダル福新泉、新開/泉田目線にしおりをはさみました!
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三人三様15 恋する~R18腐二次創作弱虫ペダル福新泉、新開/泉田目線
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※ イス**風の風習の記述がありますが、あくまでオリジナル設定です。為念。
ニカーブ~目だけ出る、プルカの一種~を着込んだその女性は、かなりな年代のようだった。
『これを洩らされたら、私の一族全てが戒律によって処罰される。だからあなたがたは何も言わないで、“品物”だけ受け取ってすぐ国外へ出て欲しい』
“品物”。
その言い方に思わず唇を噛む。
寿一は拳を強く握る。
気持ちは同じだが、サウ*の王族に手を出したら、並のことでは終わらない。
互いの目が互いの牽制をはかる。
二人で良かった。
一人だったら何しでかすかわからないトコだ。
『で。“荷物”は、ブツはどこにあるんですか』
外は嵐だ。
砂が舞っている。
俺が拾われた日のような嵐。
フェケの指が俺の腿を這っている。
下生えまで近づきながら、しれっと逃げて腹へ行く。
胸板に上がり乳輪に遊び、鎖骨から頬へ、唇へ…
俺はいきなり半身を起こしてしまった。
フェケの手が、遠慮するように離れてゆく。
申し訳ないと思う。
けれど出来ない。
フェケでは勃たない。
愛してくれているのは感じている。
わかっている。
そうでなければ七回逃げた俺を七回、それも砂漠の砂嵐の中で、みつけ出してくれるわけがない。
こんな俺を、砂漠のただ中から拾い上げ、今日まで面倒見てくれてるのが、愛情でなければ何だろう。
それでも添い寝しか出来ない。
感謝だけではヤれない…
眠っていると顔が浮かぶ。
二つ。
一つは金色の髪を獅子のように突っ立てた大男のもの。
吊り上がった目にもかかわらず、顔立ちのどこかに愛敬がある。
いま一つは美しい女顔。
いつも涙に濡れている。
それだけの美形なのに筋骨たくましい。
髪形がときどき坊主になるのも不思議で…
でも、この二人の夢を見た日はとても気分がいい。
フェケには悪いが俺はたぶん…
この二人を愛しているのだ。
フェケは言う。
愛してほしいと。
身も、心もひとつになりたいと。
そのくせ俺を奪うことはしない。
戒律の禁忌。
恋心はあっても、肉体に進むだけの覚悟はそうそう出来ない。
触れるだけのキス。
それがフェケのせいいっぱいの表現…
食事に下りる。
朝食は家族全員でとるのがこの家(や)のしきたりだ。
トースト、もしくはクロワッサンの洋風朝食が基本。
卵料理には聖別された、豚のベーコンが添えられる。
ぜいたくの極み。
妻は六人。
正妻リケは俺を嫌っているが、次妻ノノ以下五人は俺に興味津々だ。
男としての興味を持つ妻もいれば、異国人への関心を示す妻もいる。
年若いメへレは正面きって聞いてきた。
おまえの国の男は皆、おまえのように、女のような顔立ちなのか?
獅子顔の男と筋骨が浮かぶ。
半々だと、答えておいた。
何という国だろう、そこは。
俺はどんな人生を歩んできたのだろう。
全ての過去は砂の中に置いてきてしまったようだ。
俺はいま、誰でもない。
ある日メヘレが俺を廊下の隅へ引き込んだ。
あなたは捜されている。
あなたは新開隼人という名だ。
日本という国のメディアマンだ。
ダアル戦争に巻き込まれていた。
インターネットで捜されてる。
旦那様はあなたを返したくないから教えない。
でもあなたの国には、あなたを待っている人がたくさん…
『メヘレ』
冷たい声で止めたのはリケだった。
メヘレは首をすくめ、ニカーブの裾を翻して去った。
私の部屋へ入れと、リケが目で示した。
うまいコーヒーを入れてくれてから~戒律で禁じられてるから、自分は飲まないにもかかわらず、リケはとてもうまいコーヒーをいれる~、彼女は単刀直入に切り出した。
『フェケに夢を与えてやってくれないか』
唐突で、意味が分からない。
『私と子を成して欲しい』
!
あまりにも唐突すぎて、俺は答えが浮かばない。
リケ。
そもそも君は俺を嫌いだろう?
『嫌いだ。旦那様がおまえと睦みたがっていることを思うと虫酸が走る。けれど旦那様の思慕は本物だ。私はそれを叶えてあげたいのだ』
氷の女だと思っていたリケの意外な想いが俺の胸を打つ。
俺は意を決して、彼らの慣用句を使った。
おまえのニカーブの中に入っていいか。
なめらかな肌。
なめらかな女陰。
何故だろう。
俺はこの感触を長らく知らないと思った。
数日後。
二人の日本人が来た。
金の獅子と女顔だった。
夜間飛行。
国際線。
隼人は寿一の肩にもたれるように眠っている。
こっちにもたれてほしいけど、そしたら顔、じっくり見れない。
だから今はこのままでいい。
記憶のほとんどをなくしてたけど、僕らはただもう無事でいてくれたことだけで満足で、嬉しくて嬉しくてならないのだった。
迎えに行った僕らに、かれはただただ微笑んでくれた。
「やあ。やっと夢から出てきてくれたね」
夢にも見ていてくれたのだ。
サウジもドバイも遠ざかってゆく。
俺は名もなき遊牧民に助けられたことになっている。
多分誰もが知っている。
あのあたりにはもう、名もなき遊牧民なんていないのに。
でも民衆は御伽噺に酔いたいし、為政者は酔わせておきたい。
それはそれでいいのだ。
俺はフェケを思う。
妻たちを思う。
リケを、その身に宿ったであろう俺の二世を。
大丈夫。
フェケは絶対喜んでくれる。
リケは確たる口調で言い、俺もそれを信じられた。
遠い異国に自分の身内がいるのは、面映ゆいが、素敵だ。
いつかきっと会いにいこう。
でもその前にこの二人だ。
俺のソレがうずうずしてる。
右に対しても左に対しても。
間違いない。
この二人こそが俺のものだ。
何も思い出せなくても。
この二人こそが俺のものなのだ。
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