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アリシマ②完結~二次創作弱虫ペダル総北、金城目線にしおりをはさみました!
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アリシマ②完結~二次創作弱虫ペダル総北、金城目線
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「俺と峰ヶ山走れ。おまえが勝ったら下級生チーム認めてやる」
認めてもらわなくても代表は俺たちだ。
とやかく言われる筋合いはない。
けれどここで戦っとかないと、ずーっと言い続けられるに違いない。
オールラウンダーの有島さん相手なら、戦うのはやはり、オールラウンダーの俺だろう。
巻島と田所の反対押し切って、古賀にスタートフラッグ振らせた。
とび出した俺のトレックを、さりげなくさりげなく牽制してくる。
うまい走り。
だが魂がない。
こんなにうまいなら、自走すべきだ。
力を相手の牽制に費やすべきではない。
ぴったりついて隙を窺う。
離れない。
絶対離れない。
有島さんはイラ立ち、ケイデンス上げたりダンシングしたり、ありとあらゆる小技を駆使するが、仕掛けられれば仕掛けられるほど、有島さんの弱点が目についてくる。
敵が見抜ける…
自分自身の力に驚きおののいていたまさにその時。
「金城!!」
通司さんの声とともにブレーキングした俺の眼前を、有島さんのバイクが滑っていった…
激突音。
バイクは路側帯に。
本人はガードレールの向こうに。
よろよろと立ち上がる様が目の端に入る。
通司さんは店のバンを俺の傍らに停め、下りてつかつかと有島に歩み寄った。
ジャージの襟を掴んで威嚇する。
「いい加減やめないか有島。おまえは総北の、いや、全自転車乗りの恥さらしだ」
「自分が足やられたからって、全部俺のせいすか寒咲さん。他校のやつなんか庇うから」
通司さんの顔色が紙のように白くなる。
「きさま一っ!」
通司さんの拳より先に俺の拳届け!
間に合った。
有島さんは充分な距離ふっとんだ。
「足…そういうコトだったんですね」
「全部じゃないさ。酷使しすぎてガタはきてた。有島はとどめをさしたにすぎない」
「俺…通司さんの走り好きでした。ファンでした」
唇を噛む俺に、先輩は、テレ臭そうに笑って言った。
「奇遇だな。俺もおまえのファンだ」
「!」
「おまえならやれる。おまえたちならやれる。だからインターハイ。頑張ってこい!」
「はいっ」
そして18位に終わった夏。
でもあれ以来、総北自転車競技部にヒールバイカーは現れていない。
願わくはこの伝統の永劫維持されんことを。
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