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茹で上がる俺。にしおりをはさみました!
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茹で上がる俺。
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屋上に通うようになって早二週間。
先輩たちとお昼を食べるのも習慣となってきています。
一緒に過ごす時間が出来てわかったこともちらほら。
壱也さんたちは、一応、というか不良に属している人達なんだけど、毎日学校に来ている。それが正直意外だった。
聞いたら授業も結構出てるらしくて、俺の中の不良のイメージとは違ってた。
で、実習とかもちゃんと出てるらしく、壱也さんも作業着着てる時もあって普段の制服を着崩してるのもかっこいいけど、作業着姿もまたかっこよかったり。
あ、あと壱也さんは車とかバイクとか好きなんだって。
銀司さん曰く機械バカ。
でもそういうところもやっぱりかっこいいと思う俺です。
それと、北校舎特有の怖さにもちょっと慣れてきました。
北校舎の人たちも毎日通ってると気にしなくなったのか、視線も半減している気がする。
って言っても、一人じゃ通れませんけどね。
だって怖いもん。
それに!
何よりもびっくりすることがあって、これは中々慣れないんだけども。
今日も今日とて、昼休みに屋上へ向かう俺とマコト。
相変わらずマコトの後ろからぴったり離れることはありません。
階段を登り切った先、屋上へと続く扉を開けば梅雨が明けきれないどんよりとした空が広がる。
そして、やっぱり飛んでくる不良の方々の視線。
それから。
「うぃーっす」
「よっす」
「こ、こここんにちはっ」
「ども」
集団からまばらに掛けられる声に俺もマコトも頭を下げつつ挨拶を返す。
初めて屋上を訪れた時は考えもしなかったこの不思議な光景。
不良の方々から挨拶されるとか本当に驚いた。
初めてされた時は空耳かと思ったもん。
でもこれって受け入れられてるってことなのかも、そう思うとこれはかなり嬉しいことだ。
そしてその集団を抜けて目的地へと辿りつけば、迎えてくれる先輩たち。
当たり前みたいに壱也さんの隣に座って、一緒にご飯を食べる。
大好きな人とこうやって過ごせるなんて、すごく幸せだ。
壱也さんと並んでフェンスに背中を預けて弁当を頬張っている真っ最中です。
雅宗さんと銀司さんはご飯そっちのけで何故かゲームをやっていて、二人で盛り上がっています。
もちろん、マコトはフジさんの隣。
やっぱり普段と少し雰囲気が違うマコトに、付き合ってる人ってやっぱりフジさんなのかなって、まだ聞けないでいることを悶々と考えていたら、ふっと壱也さんが口元を緩めた。
「稜太、」
「なんですか?」
もごもごしながら、壱也さんを見ると壱也さんの手が頬に伸びてきた。
不意をつかれて、なんだなんだと心臓をバクバクさせていると、クイっと唇の横を親指で拭われる。
そして、その指をペロリと壱也さんが舐め取った。
「え、」
「ん、ソースついてた」
そう言って優しく笑う壱也さんに、もう、何ていうか、シュウウウウっと音がしそうなほど顔が茹だった。
その仕草がやたらと自然で、でも、何でかやらしく見えてしまった自分が恥ずかしい。
「あ、ありがとうございます、、」
「どういたしまして」
真っ赤な顔を隠すように俯いた俺に壱也さんはクツクツと笑っている。
そんな壱也さんに恥ずかしさは増すばかりだ。
不意打ちなんてずるい。
でも、俺がそんなこと思ってるなんて知らない壱也さんは、更なる不意打ちを仕掛けてくる。
「やっぱお前かわいいな」
ああ、ほんとにこの人は俺をどうしたいというのか。
その言葉に完全に茹で上がってしまったのは言うまでもない。
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