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知らない先輩。にしおりをはさみました!
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知らない先輩。
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午後の授業も終わり、やっと訪れた放課後。
まあ、バイトがあるから待ち遠しいというわけでもなかったんだけど。
バイト後は楽しみなんだけどなぁ。
そんなことを思いながら、のそのそと帰り支度をしているとクラスメイトから掛かる声。
見れば、教室の後ろのドアのとこから呼んでいた。
「なにー?」
「お客さん!」
そう言われてドアの外へと視線を向ければ、短くはない金髪を立てて制服を着崩した、いかにもチャラそうな男がこっちを見て立っていた。
しかし、見覚えのない顔に、はて?と首を傾げる。
「誰あれ?」
「さぁ?稜太、知ってる奴?」
「うーん、、、見たことない人」
先に帰り支度を終えた蓮とマコトが俺と同じく来訪者を視界に捉えて、気持ち小声で聞いてくる。
とりあえず用件だけでも聞いて来ようと席を立った。
近くで見てもやっぱりチャラそうで、なんかホストみたいだ。
長身で細身の男を見上げると、その男は品定めするみたいに俺を上から下まで見回した。
その目に嫌悪感を抱く。
「森川稜太くんだよね?」
「あ、はい。あの、何かご用でしょうか?」
警戒心丸出しで、ビクビクしながらそう尋ねると、その口元をニヤッと吊り上げる。
その笑みに何だか嫌な感じがして、変に胸が騒ついた。
「森川くんちょっと時間ある?」
「あ、えっと、バイトがあるんで」
時間はないです。そう意味を込めて、言ったんだけど、その男はちょっとでいいからって食い付いてくる。
何なんだと思っていると、その男の口から意外な人の名前が出された。
「本山が呼んで来いって言うんだよ」
「えっ、壱也さんですか?」
「そうそう」
「じゃあ、壱也さんのお友達、ですか?」
「そうそうお友達。森川くん連れて来るように頼まれたんだけど、時間ねえならしょうがねえか」
「あ、や、い、行きます!」
なんだ。壱也さんの友達ならそう言ってくれればよかったのに。
壱也さんの用なら別だ。
ちょっとだけなら時間もあるし大丈夫だろう。
一応マコトたちには言っておこうとその先輩に、ちょっと待っててくださいと、一旦席に戻る。
「ごめん。ちょっと用事出来たから先帰っといて!」
「了解」
蓮の返事を聞いて、さあ行こうとドアへと足を向けるも、それはマコトに阻まれた。
肩を組んだ状態でマコトがぼそぼそと口を開く。
「あいつ知り合いだったん?」
「いや、知らないけど壱也さんの友達だって」
「友達?」
「うん。壱也さんが呼んでるんだって」
「本山さんが?」
「うん。だからちょっと行って来る」
「あっおい!」
マコトの腕をすり抜けて、止める声を聞かずに、待たせてはいけないとドアのところで待ってる先輩のもとへと駆け寄った。
「じゃあ行こっか」
「はい」
先輩を追うようについて行く。
何の用かな?なんてのんきに考えてた俺は、その先輩が嫌な笑みを浮かべてることに気付かなかった。
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