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初デート。にしおりをはさみました!
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初デート。
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「稜太、今日どうする?」
遅めの朝ご飯を食べた後、俺はソファでテレビ鑑賞、壱也さんは換気扇の下で煙草を吸っていた。
結局壱也さんが起きたのはあれから2時間後だった。
身体を固くしてじっとし過ぎてたせいか身体全体が変に痛い、というか軋んでる感じがする。
起きたときよりはだいぶマシにはなったけど…
それと、昨夜のこと、壱也さんは怒ってなかった。
ものすごく不安だったけどほんとに怒ってないらしい。
それどころか逆に笑われてしまった。
笑われたのは腑に落ちないけど、怒ってない壱也さんに心底安心した俺だった。
そして冒頭の壱也さんの言葉に戻るわけですが。
うーん、と首を捻った。
どうするってどうする?
何かする?ってことで良いのかな。
でっデートする?とかそんな感じかな。
…えっそしたらすごい悩むんだけど。
壱也さんと一緒ならどこでも行きたい、なんてことを思った。
うんうん悩んでいると壱也さんがぷっと吹き出す声が聞こえた。
壱也さんを見るとカウンターの向こうで肩を揺らしながらタバコを灰皿に押し付けてる。
こっちに戻ってくる壱也さんのために真ん中を陣取っていた身体を横にずらして、隣に腰を降ろす壱也さんを目で追っていると不意に大きな手が頭に伸びた。
「悩み過ぎだろ」
「えっ、…じゃ、じゃあ壱也さんはどうするんですか?」
「そうだな…」
逆に問いかけてみると壱也さんも悩み出した。
ほら、やっぱり悩むでしょって心の中で思ったのは内緒。
悩んでる壱也さんに内心ちょっとドキドキした。
だってもしかしたら初デートになるかもしれないんだ。
「稜太は行きたいとこないのか?」
そう言って俺をのぞき込んでくる壱也さんにデートのお誘いだと確信した。
やばい、嬉しくてにやける。
「俺、壱也さんと一緒ならどこでも行きたいです!」
シャキッと姿勢を正して言う俺にまたもや壱也さんは吹き出した。
おもしろいことなんて言ってないのになぜ笑うんだろう、謎すぎる。
ポカンとしていれば、答えになってねえだろってクシャクシャと髪を掻き乱された。
周りには溢れんばかりの人、人、人。
休日に初めて一緒にお出かけ、というものをしています。
記念すべき初デートです!
しかし、再び俺は悩んでいます。
何にかと言うと、あれです。
何を観るか、についてです。
あの後ちょっとだけ悩んで映画を観に行こうってなって、映画館に来たわけなんだけど、壱也さんに観るのは俺が決めていいと言われ今に至る。
だけど結構観たいものがあってところ狭しと掲示されているパネルに目移りしては悩んでる。
こういう時ほんとに俺って優柔不断だと思った。
「また悩んでんな」
「ぅ、観たいのがたくさんあって」
後ろから掛けられる笑いを含んだ声にちょっと振り向けば、思ったとおり口元に笑みを携えた壱也さんと目が合った。
「また観に来ればいいだろ」
ふって息を吐いた壱也さんの目が優しく細められる。
その表情と『また』という言葉に完全にノックアウトされた。
「…じゃあこれで」
選んだのは、超話題作!な某マンガが実写化されたアクション映画だった。
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