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たまごにしおりをはさみました!
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たまご
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汚れてしまったトイレの個室の中をペーパーで拭きとって、さらに手を洗った後に使うためのアルコール消毒液で全体を拭いた。
さすがにただペーパーで拭いただけじゃ気持ち悪いし、においも残ってしまうと思って。
アルコールでしっかり拭くと、ペーパーはかなり使ってしまったけど、においもほとんどなくなった。
あとは換気をしておけば、すぐににおいは取れるだろう。
「…ったく、拓斗のせいで無駄にペーパー使っちゃったじゃん」
「ちょっともったいないけど、よかっただろ?」
「っ、バカ、もっと環境に気遣え」
「エコじゃないって?じゃあ次からは口で受け止めてあげようか?」
かぁっと顔が熱くなって、バカって怒鳴ろうと拓斗の方を振り向いたら、外から足音が聞こえてきた。
焦ってちょっと拓斗から離れると、入ってきたのは三浦だった。
「あ、いたいた。そろそろ見回りの時間だぞ」
三浦は山木とペアを組んでいて、連休だからか旅行する人が多いらしく、2人の担当しているマルチーズのマックも預かっている。
4人で寮から出て犬舎のある棟へ向かう途中、ふと横井たちのことを思い出した。
2人の犬も預かっているということは、2人も見回りをするということ…。
ということは、見回りをする時間帯である今、2人と遭遇する可能性は非常に高いということだ。
溜息をつきながら、校舎の入り口をくぐったその時だった。
「大変!大変なのっ!」
聞きたくない甲高い声が響き渡る。
だが、普段と違う必死の形相に、何が起きたんだと誰もが緊張した。
「たまごちゃんが、いないの……!」
「は……?」
横井の口から発せられた言葉は、この場にいる誰にとっても予想外で、有りえない事態だった。
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