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アルバム絵本にしおりをはさみました!
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アルバム絵本
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.高霧緋色(たかきり ひいろ)は、今まで出会った人とは違った独特の空気を持った人だった。
現時点での印象は、ちょっと賢史さんの軽さの入った檸檬さんのようなノリの良い感じと、奏一さんのような穏やかさと強さを併せ持った素直な人。
修二が言った通り、とても良い人で、それが物凄く厄介で、しつこい…。
緋色「さっきはごめーんね。奏一さんに怒られちって反省したから。知らない奴にいきなり迫られて困ったでしょ。俺、怪しい奴じゃ全然ないからw。
改めまして、高霧緋色23才、在宅でデザイン関係の仕事してる、ちゃんとした社会人だから。
マキ君があまりに綺麗で可愛くて見惚れちゃってさ、ホントイメージぴったりで今すぐモデルになって貰いたいって思っちゃったてさ。俺、スランプ入ってて全然描きたい題材に出会えなくてホント困ってたんだ、だから、ホントごめんね。…ああ、やっぱ間近で見ると超綺麗だね。近くで見ても全然男の子だって分かんないよ、瞳は綺麗だし、あっ、目の色カラーコンタクト?わざわざ黒いの入れてるの?本当の色は何色?見てみたいなぁ、とっても綺麗なんだろうな。まつ毛も長くて綺麗だね、涙ボクロとか超エロいし、肌は白く透き通ってて、綺麗で柔らかい線、骨格も綺麗で、鼻筋とかスッキリしてんのに滑らかだし、ウルフカットの髪サラサラで超似合ってる、なんか線が細くて綺麗で美しいのに肉食系っぽい君にぴったりだね、この尻尾みたいに長い髪とか、触ってみても良い?」
マキ「…」
反省した割によく喋る。
緋色「すっごいニコニコしてるけど、こいつ何言ってんだって顔してるねw」
そして、察しは良いのにめげない。
修二「…ひ、緋色さん、マキをナンパするの止めてよ、兄貴がすっごい睨んでるよ」
修二が暴走気味の緋色さんに注意して、台所を指差す。
隣の部屋の台所で、僕に飲み物と食べ物を取ってきてくれようとしてる奏一さんがこっちの話し声が聞こえて怒って静かに睨んできてた。
幸い、奏一さんと修二のお母さんや、元朱雀で奏一さんのストッパー役の谷崎さんが一緒にいるからキレることはないみたい。
まぁ、修二もいるし。
緋色「ナンパじゃないよ、モデルをお願いしてるんだよ。奏一さんにもちゃんと説明したし、ちゃんとバイト代払うよ。マキ君が嫌がるようなことしなきゃ話をしても良いってちゃんと奏一さんに許可もらったから、マジ困ってるんです!」
緋色さんは必死に拝んで可愛らしく上目遣いしてきた。
本当に困ってるんだろうっていうのは伝わってくるし、本当に絵が描きたいっていうのは分かったんだけど…
緋色「ね、ねぇ、お願いします。椅子に座ってるだけで良いからさ、そんでちょこっと脱いでくれれば良いだけだから」
マキ「…」
だよね。
修二「!?」
あーあ、修二がそれはマズいだろって顔し、奏一さんに聞こえなかったかチラッと台所を見てる。
まぁ、彫刻に初恋したならそっち路線だろうとは思ったけど。
マキ「ふふ、ごめんなさい。僕、モデルとかやったことないし、脱ぐほど体鍛えてないから」
緋色「いやいや、俺が求めてるのは筋肉じゃないから大丈夫!マキ君の天使みたいな中性的な美が描きたいだけだから!大丈夫!」
大丈夫じゃないよ。
脱いだりしたら百目鬼さんが噴火しちゃうよ♪。
マキ「ありがとうございます。でも、ごめんなさい♪」
緋色「うわぁー、超笑顔なのに超目が笑ってなくて嫌そうw。でも俺も断られるの嫌だからw、超諦めないw」
マキ「んふふ♪、先輩♪奏一さんにまた怒られますよ♪」
緋色「マキの愛らしくて可愛い笑顔なのに本音は違うだろうミステリアスな所が益々モデルになって欲しいから、奏一さんも怖くないよw」
うわぁー…
この人、賢史さんと檸檬さんに矢田さんの斜め上の天然さも足されてるんですけど。
奏一「緋色、いい加減にしなさい。マキが嫌がらなきゃ話をしてもいいって言ったんだ、断ってるだろ」
緋色「まぁまぁ奏一さん、俺とマキは会ったばっかりだから、少しぐらいアピールしてもいいでしょー」
奏一「お前はいちいち胡散臭いんだよ」
緋色「俺は素直な言葉を口にしてるだけですよぉ。奏一さんもそんな俺が好きだって言ってくれたじゃないですかぁー」
奏一「緋色」
緋色「はぁーいw」
緋色さんは懲りた様子も反省した様子もなく、可愛らしい返事をして、僕をニコニコ見つめる。
見た目は強そうな細マッチョなのに、ユニークで笑顔は爽やかにおちゃめだ。
緋色「じゃあ、今日は諦めるから、マキ君IDプルプル交換しようよw」
奏一「コラ!緋色!」
またまたゴチンと奏一さんの拳骨が降ってきて、緋色さんがテーブル突っ込んだ。
テーブルの上の飲み物が倒れていくつか物が落ち、緋色さんが呻いてる。
緋色「痛ッたぁー、奏一さん本気すぎ、いくら俺でも脳天は鍛えられないしぃー、ほらぁ、テーブルぐちゃぐちゃになっちゃったよぉー」
奏一「お前のせいだろ。修二の友達にお前の世界観を押し付けるな」
緋色「もぉー、奏一さん修二君絡むとマジ心狭い」
全然引かない緋色さんに、酔っ払い奏一さんのボルテージが上がり始め、ヤバイと思ったのか、谷崎さんが布巾を手にして割って入った。
谷崎「ほらほら奏一、緋色のことは放って置け、お前がダメだって言ったことは最低限では守る奴だから、奏一に久々に会えて構ってもらいたいだくだよ。それより、飲み物溢れてる。修二とマキにかかったんじゃないか」
うまい具合に奏一さんの注意を修二に向けて場の空気を切り替えた。
奏一「ごめん修二、かかった?」
修二「ちょこっとね、こっちはやっとくから、マキの分のお箸まだだから持ってきて」
修二の服に飲み物がかかって、谷崎さんが持ってきた布巾で拭きながら、テーブルを片付ける。
奏一さんの怒りは直ぐに鎮火して、慌てて台所に戻った。
すると、緋色さんが、修二の服にかかったところに手を伸ばし、匂いを嗅いだ。
緋色「あぁ、これ谷崎さんが飲んでた日本酒だ、修二、着替えた方がいいよ」
修二「ちょっとだし大丈夫ですよ」
心配ないと言った修二に、至近距離の緋色さんは布巾で服を拭く修二の手を握り、反対の手で修二の鼻を人差し指で突いて笑う。
緋色「修二は酒弱いだろ、匂いで酔っちゃうんだから、酔った修二は可愛いけど着替えておいで」
修二「えっ」
緋色「奏一さん落ち込んじゃうし、それに、アルコールって皮膚から吸収されるから、ほぉら、ほんのり頬が赤いよ」
ふんわりと面白そうに笑い、優しい仕草で修二の頬をそっと撫でる。相手が女の子だったら、確実に今キュンキュンしてるだろう。
緋色「耳まで赤くなってて可愛いw」
この人…
天然の垂らしだ…
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