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天使の矢にしおりをはさみました!
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天使の矢
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「・・・・・・そう言えばなんでですかね?・・・あなたは俺を怖がらないから?」
わずかに語尾が上がって疑問形の形をとっているため、本人もあまりわかっていないらしい。
考えるようにこちらをじっと見つめてくる姿はかっこいいが、
自分の感情が自分でわからなかったりするところは、意外性があってかわいいなぁと思う。
でも、こんな真っ黒の目で無表情に見つめられたら普通は怖い、俺もまだちょっと怖い。
強面だし、ガタイもいいし、声の抑揚もないし、無表情だし。
友達がバカ話しても、一緒に楽しく聞くスキルとか足りなさそう。
俺みたいなのも放っておけないお人好しなのに、同級生とかに遠巻きにされていそう。
「・・・」
そんなにじぃっと見つめないでほしい。
最底辺みたいな痴情の縺れを見せた後に、そんな路上の空き缶を見るような目で見られると
ヨクジョーしかねない。
いや、やめるべきはそんなくだらないこと考える俺なんだが。
「俺の性癖とか、気持ち悪いなら無理しなくてもいいんですよ」
罪悪感を感じさせないよう努めて明るい声で発音した。
「何を好きだって人の自由じゃないっすか?」
グサッ。
天使の矢が刺さった音を聞いた。
その矢が刺さった心臓から大好きという感情が血液に乗って体に巡りだす。
心音が早くなって、大好きのぐるぐるが早くなる。
「・・・」
目を合わせられなくてチラッと様子を見ると、やっぱり無表情だった。
こんなに俺の中引っ掻き回した本人は、何の感情も抱いていない!
ああ、もう、こいつのことが好きだ。
性癖の好みとしての好きが前面にあったけど、原田君に今惚れたわ。
自分がド変態のクズってのは分かっている。
わかっているけど認めては欲しいんだ。
年が違うし、男同士だし、俺はド変態だし。
でも、そばにいたい。
迷惑には絶対なりたくないけど 、コイツの視界に入ってたい。
「あ、ありがとう」
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