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海斗side.にしおりをはさみました!
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海斗side.
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「・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
沈黙。
自分の心臓の音だけが、耳に響いていた。
怖くて、不安で。
どんな反応するだろうって。
どんな気持ちになるだろうって。
怖くて。
「・・・・・・過呼吸だって」
「・・・・・・・・は?」
過呼吸だって、って。
え、なに?なにが?ってか今そんな話してないよな?え?
「え、昴?」
「海斗の、さっきの症状。過呼吸だって、坂口先生が言ってた」
「え、あ、そうなん・・・・?」
「うん。なんかね、坂口先生に、よく過呼吸を起こす友達がいるらしいんだけど。過呼吸の原因がね、ストレスなんだって。ほとんどの場合が」
言いながら、昴はまた歩き出した。
昴の反応がよくわからなくて、首を傾げる。
(・・・・・・あ、)
もうすぐ家に着く。
この角を曲がれば、すぐに家だ。
「昴、降ろし、」
「ねぇ海斗?
人のものに手を出す奴は最低だと思わない?」
「・・・・・・・・・ぇ、」
昴の声が低く響く。
(や、ばい・・・・・・・)
怒ってる。
「ぅわっ、」
ストッ、と突然降ろされ、対応できずよろける。
倒れ込んでしまいそうになった瞬間、昴が俺の体を引き寄せ塀に押し付けた。
「い゛っ・・・ん!」
そしてそのまま、唇が重なる。
勢いよくぶつかった背中がジンジンと痛んでいるけれど、そんなことを気にする暇はなかった。半ば強引に入れられた舌の動きについていこうと、俺も必死に舌を動かす。
「ん゛っ!」
昴の体温が傷にしみる。
痛い。
「痛い?」
「い゛、たッ!」
ぺろ、と舐められ、さらにしみる。
逃げるようにして顔をそらした。
「ねぇ。過呼吸も、その傷も。キスマークも全部、菊地祐介って奴のせい?」
「っえ・・・・?」
なんで、
「鎖骨のところのキスマーク。赤く腫れて、少し傷になってたね」
昴が口角を上げる。
だけど、目は笑っていなくて。
久しぶりだと思った。この感覚は。
「抱かれてる時につけられたの?」
「す、昴、なんで知って、」
「僕を甘く見るな。海斗のことは誰よりも見てる」
「っ、」
昴の表情が一変する。
暗くて、冷たい目で・・・・・
こんなに怒ってる昴は見たことがないかもしれない。
昴が何を考えているのか、何を思ってるのか。
何もわからない、
わからせようともしていない表情。
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