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ルーシェス・ユールの追想(シェス視点)②※にしおりをはさみました!
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ルーシェス・ユールの追想(シェス視点)②※
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単純に、楽しそうだと思った。
面白い玩具を手に入れた、くらいのノリだった。
退屈な仕事の暇つぶしになるかなーって。
実は男と寝たことはなかったんだけど、何とかなるもんだな。
アイルはすごい痛がってたし、俺も挿れるときはキツかった。
結構ほぐしたつもりだったのに。
「ひぐ…っ、ひどい、こんな…」
ぽろぽろと涙を零すアイルは、ほんと綺麗だった。後から後から流れる涙は、もったいなかったから舐めとった。変態くさい?いや、アイルが可愛いのが悪い。俺のせいじゃない。
それから、暇さえあればアイルで遊んだ。
反応が面白いし、拒否の言葉を言うくせに身体は快感に従順だし。
何度も性行為を重ね、その最中に「他にも玩具はあるのか」って聞かれた。
…まぁ、他にも持ってたけど。でも他の玩具は飽きたから捨てた。それで、それを聞いたアイルがしょんぼりするのがおかしかった。自分も捨てられるとか思ってんのかな。確かに飽きたら捨てるだろうけど、とりあえず今は捨てる気ないのに。
というか、その遊んでた玩具たちは、アイルと比べるとどうしても見劣りしたんだよな。いじめてもつまらないし。泣き顔見てもつまらないし、笑顔はアイルの方が可愛いし。
正直に言うと、アイル以外で勃たなくなった。
それくらいには、アイルはお気に入り。
だけど、気付いた。
アイルは、俺のことが好きだってことに。
こんな酷いことされてるのに「好き」という気持ちが死なないなんてどういうことだ。
被虐趣味でもあるのかと思ったけど、どうやら違うらしい。
…本気になられるのは、嫌なんだけどなぁ。
それに気づいてから、少し距離を置いてみた。
他の奴を宛がってみようかとも思った。
けど、
「ふふ…ルードってば…」
「―…、」
他の男と楽しく話してるアイルを見かけて、どす黒い感情が、沸き起こった。
「ねぇ『巫女様』」
日が暮れるのを窓からぼんやりと眺めているアイルに声をかける。
だが、振り向かない。
その態度にますます苛立った。
「…何」
「…」
話すのは久しぶりだ。
だって、俺が意図的に避けてたんだから。
でもアイルはそんなこと、関係なかったわけだ。
俺以外の奴と、楽しくお喋りしてたもんな…?
「ふーん、しばらく会ってないから欲求不満かと思ってたけど、そうでもないんだな」
「…?」
アイルが訝しげにこちらを向く。
…ムカつく。
「っ?!…っ…ぅあ、ん…っ」
強引に顎を引き寄せ、唇を奪う。性急に口を割り開き、舌で口内を蹂躙してやった。ちゅ、くちゅり、といやらしい音が響く。歯の裏側をつつ、と撫でてやると、アイルはぶるりと体を震わせた。
「…ふぁ、っ」
「こうやってあの男もたらしこんだのか?」
「…あの男?」
「ルード・ブランシェ。アイルはよーく知ってるだろ?」
俺もそいつのことは、よく知ってる。
調べたから。
家族構成から趣味嗜好、身体能力や思想など、何から何まで。
…そして、意図せず面白いことを知った。
ルードの名前を出すとアイルは驚いたように目を見開いた。
「そ、れが…なに…」
「あの男は怪しいよ?」
「は…?」
「真面目で優しい仮面の裏には、毒蛇が潜んでいるかもしれない」
ちろ、と首筋を舐める。
びくつく身体が愛おしい。そう、あんたを乱すのは、俺だけでいい。
「そ…っ、それはシェスの方だろ!」
「ふーん、俺?」
「ルードはそんな人じゃない」
「……へぇ。あいつが『巫女様』拐いの犯人でも?」
「は?何言ってるんだ」
ルードのことを調べていく中で知ったことは、あいつが国に対して憎しみを抱いているということ。あいつは妹を拐われた挙句、殺されている。
週に何度か、見知らぬ男と密かに連絡を取っているようだった。
「『巫女様』は世間知らずでいらっしゃる」
全く、アイルは危機感がない。
俺がそばにいてやらないと、壊されてしまいそうだ。
そっとその頬に触ろうとした瞬間、
「シェスより、ルードの方が信じられる。…先に会えてたら良かったのに」
…なんだって?
「…」
「?…シェス、」
そうか。
もし、あいつが先に会っていたら、アイルは俺のことを好きにならなかったって、そういうこと?
ふぅん、そうなんだ。
優しくしてくれれば、誰でもいいってことか。
ルードとも、こんな風に身体を重ねるのか?
…ああ、なんだろう、すごく、吐き気がする。
「な、なに…」
「アイル」
「いた…っ、」
ギリッと腕を掴む。
「お前は、誰のものだ?」
「…?」
「ダメだろ、他の奴に遊ばせちゃ…」
だってあんたは、俺の玩具なんだから。
その日は手酷く抱いた。
「ひ、ぅ…やだ、やぁ…っ、あ」
「も、これ、はずして…っ」
「…は、はぁ…やだ…ん、あぁ…」
「…っ、は、あん…、シェス…っう、」
ほら、アイルは俺じゃないと満足できないだろ?
他の奴なんかに渡さない…
俺だけの、大好きな玩具。
だから、今度も待ってて。
すぐに、連れ戻しに行ってやるからさ。
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